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今を生きる ピアノ練習諦めないで 避難の講師陣集う

高野さん(後列左端)と再会を喜ぶ生徒ら

■原町拠点に活動 タカノ楽器福島で再開
 福島市のビルの一室で美しいピアノの音と指導する講師の優しい声が響く。タカノ楽器音楽普及室長の高野純(すみ)さん(36)は今月、市内太田町に「タカノ楽器福島おおたまちセンター」を開設。授業を本格的に再開した。
 タカノ楽器は南相馬市原町区を拠点に市内の小高区、富岡、大熊、双葉、浪江各町など双葉郡で教室を開いてきた。現在は原発事故により、原町区の教室を除き休校を余儀なくされている。
 「ピアノを練習したくてもできない子どものための場所をつくりたい」...。高野さんは各地に避難している講師に声を掛け、教室の再開を目指してきた。場所が確保できた福島市に"新拠点"を置くことができた。
 呼び掛けに講師陣も応じた。震災前、浪江教室で指導していた大野悦子さんは南相馬から須賀川市に移り住んでいるが、「浪江の生徒にまた教えたい」との思いから、福島市まで週2度通うことを決めた。
 かつて大野さんに習い、福島市内に避難している木幡愛梨さん(荒井小4年)は「優しい先生が好き。ピアノを続けるならこの教室と思っていました」と話す。母親の真紀子さん(37)は「自宅のピアノは津波で流されてしまったけれど、再び教室に通うことで少しでも以前の生活を取り戻せるような気がする」と続けた。
 福島教室に集まった生徒はまだ少数だが、「こうして再び集まれることが幸せ」とみんなで再会を喜び合っている。高野さんは久しぶりにピアノに向かう子どもたちの姿を見ながら、「1人でも多くの子に大好きな音楽を続けさせたい。みんなで福島で頑張りたい」と決意を話している。
 高野さんは震災前、音楽教室に通っていた生徒からの連絡を待っている。タカノ楽器 フリーダイヤル(0120)460108へ。

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