東日本大震災

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「疎開ブドウ」で赤ワイン いわきの遠野らぱん

完成したワインを手にする平子社長

 いわき市遠野町の農業生産法人「いわき遠野らぱん」は「東日本大震災や東京電力福島第一原発事故の影響にめげず農業で地域復興を図ろう」と、同町に自生する山ブドウとフランス産ブドウを交配させた品種でオリジナルの赤ワインを完成させ、21日から販売を開始した。売り上げの一部は義援金に充てる。
 遠野らぱんは農業と観光を融合させたワイナリーを新設しようと昨年春、山梨県北杜市のワイン農園「ヴィンテージファーム」に遠野町産の山ブドウの苗約1500本を持ち込み、フランス・ボルドーのメルロー種と交配させた。今年春、育った苗を遠野町の畑に移植してワインを造る計画だったが、原発事故による放射能の影響が懸念されたため、ヴィンテージファーム側からの「このままここに疎開させておいてはどうか」との提案で「福島生まれ、山梨育ちのワイン」を目指すことになった。
 完成したワインは被災した人たちに夢や希望を与えたいとの思いで「希望(ゆめ)のワイン『レ・ジュー・デ・ラパン』」と名付けた。「レ・ジュー・デ・ラパン」はフランス語で「ウサギのひとみ」の意味。山ブドウの香りと爽やかな酸味が特徴という。500ミリリットル入り1本3000円。このうち500円は医療機関への義援金となる。
 遠野らぱんの平子佳広社長(58)は「来年も山梨県でのワイン生産を続けるが、原発事故の収束状況を見ながら将来は遠野町で一貫生産できるようにしたい」と話している。問い合わせは遠野らぱん 電話0246(89)3125へ。

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