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今を生きる 復興だるま制作 何度転んでも立ち上がる 白河の老舗協力希望者に発送へ

復興だるまの絵付けをする清水さん(右)ら

■双葉の清水敏英さんら有志
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で双葉町から白河市に避難する住民が「復興だるま」を制作している。町の伝統行事「だるま市」を守り、復興後の再開につなげよう-。町商工会理事の清水敏英さん(64)と有志が市内の老舗だるま店の協力を得て取り組む。絵付けに工夫を凝らし双葉町を表現するデザインだ。全国で不安な生活を送る町民に「七転八起」のメッセージを伝えたいと願いを込めている。

 白河市郭内の県応急仮設住宅の集会所で清水さんら住民有志は今月から、だるまの絵付けに励んでいる。黙々と作業を続け丁寧に仕上げる。復興だるまは全身が黄色。「黄色は幸せの象徴」と決めた。鶴や亀、松竹梅を眉やひげに描く白河だるまと顔は同じ。胴体に町章と町花の桜を描いているのが特徴だ。年明けにも全国に避難する町民のうち、希望者に有償で送る。
 復興だるまは清水さんと白河だるまの縁から誕生した。30年ほど前に、1月第2土、日曜日のだるま市で販売する業者が減少。運営責任者の1人で町商工会理事だった清水さんが同市の佐川だるま製造所に2月11日に市が立つ白河だるまを双葉町で販売できないか頼んだ。当時の店主、故佐川仙八さんが快諾し、町内の市に白河だるまが並んだ。
 清水さんが同市に避難したのは9月末。仮設住宅120戸に44世帯が入居する。自治会長に選ばれた清水さんの胸に去来したのは「避難者の心の支えが必要だ」との思いだった。だるま作りを通じて伝統行事を守っていく実感を持つことができるはず-。そう考え、なじみのある佐川だるま製造所に助力を求めた。
 仙八さんの孫に当たる現在の店主佐川明子さん(52)は「商業的な協力は難しいが、避難している人の生活に少しでも張りができるなら」と顔を描いた50体を提供した。
 白河市民にも協力の輪が広がっている。市観光物産協会はホームページに活動を掲載する。NPO「カルチャーネットワーク」は毎月発行する広報誌でPRに協力する考えだ。市内の建設会社は「だるまの敷物にしてほしい」と清水さんらに板を提供した。
 清水さんは購入を申し込んだ人に「決して放射能に負けない」と誓いを記したメッセージを添えて送るつもりだ。何度転んでも立ち上がるだるまの姿に双葉町民の姿を重ねる。

■白河市長に第1号手渡す
 清水さんは26日、双葉町民の激励のため仮設住宅を訪れた鈴木和夫白河市長に復興だるまの完成品第1号を手渡した。鈴木市長は白河だるまが住民の支えになっていることに感激していた。

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