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今を生きる 清き自然取り戻す 除染や線量調査 地道な努力継続

園内の樹木の放射性物質を測定する茂木所長

■郡山の逢瀬公園・緑化センター茂木浩所長
 「元に戻すには時間がかかるだろうが、来年もできることを1つ1つ進めていきたい」。郡山市の県都市公園・緑化協会逢瀬公園・緑化センター所長茂木浩さん(51)はすっぽりと雪に埋まった園内を見渡した。除染技術の実証実験に取り組み、独自の線量調査を進めるなど地道な作業を積み重ねた1年だった。
 逢瀬公園は市西部の逢瀬町にあり、広さは約33ヘクタール。四季折々に野鳥がさえずり、花々が咲き誇る。同センターは豊かな森林環境を生かしたイベントなどを通して市民らに自然の魅力、素晴らしさを伝えている。
 しかし、今年は東京電力福島第一原発事故で一転。多くの行事が中止に追い込まれ、来園者も減った。「憩いの場であるはずの森林に気軽に立ち寄れないなんて...」。大学で造園学を専攻し、樹木医の資格も持つ。木や森への思いは人一倍だ。放射性物質との闘いが始まった。
 8月には芝生除染に向けて近藤三雄東京農大教授が提唱する「深刈り工法」の実証に取り組んだ。さらに放射性物質の吸着量を樹種ごとに異なるかどうかを独自に調べている。
 年末に入って公園を訪れる人は一層まばらになったが、静寂の中で次なる手を考えている。来年3月に除染技術を紹介するセミナーや地域と連携した婚活イベントを開く考えだ。「芝生の除染方法などの情報を的確に広く県民に伝える一方、再び市民らの憩いの場になるように努力したい」と前を向いた。

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