東日本大震災

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6カ所選定、低価格分譲 県の復興工業団地

 県内では、震災と原発事故に伴う住民避難や企業の操業停止により、雇用対策が緊急課題だ。県は企業誘致による雇用確保を目指すが、県内で大型区画の分譲地が不足していることに加え、中小規模の用地は仮設工場や仮設住宅などに使っているケースがある。このため、新たな受け皿となる復興工業団地の整備を支援する。今年度中に造成計画を策定し、平成24年度にも造成事業に入る。
 復興工業団地の候補地は【表】の通り。住民の避難や工業用地の整備状況などを踏まえ、浜通りと中通りに新たな分譲地を点在させる方針。開発を想定している総面積は東京ドーム71個分に及ぶ。現段階で、川俣町西部工業団地、郡山西部第一工業団地、四倉中核工業団地・第2期は地元自治体などが用地を取得しているが、造成に至っていない。二本松市内、矢吹町内、南相馬市内は民有地となっている。
 造成事業は県または地元自治体が起債により財源を確保し、2年から3年程度の期間で実施する。起債の利子に対し、県は原子力災害等復興基金からほぼ全額を助成する。助成枠は総額百億円を見込んでいる。県内の工業用地の平均的な分譲価格は1ヘクタール当たり1億円から1億5千万円程度。県は利子分の助成により事業主体の支出を抑え、分譲価格を15%程度低下させることが可能とみている。
 工業用地の低価格分譲と、新たに導入する企業の新規立地や設備投資に対する総額1600億円の補助事業を併せて企業にアピールし、早期の立地につなげる考えだ。
 造成に向けた調査は、経済産業省所管の財団法人・日本立地センターに委託し、3月中旬まで実施する。土地利用計画や道路、給排水、緑地などの造成計画を策定し、事業費や用地の分譲価格などを見積もる。原発事故による放射性物質の拡散を踏まえ、候補地と周辺地域の放射線量を把握し、表土処理などの事業費を算定する。

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■税制優遇 確実な実施を

 県は復興工業団地の分譲地を低価格に設定することで、早期立地を目指すが、各自治体が企業の争奪戦を繰り広げており、誘致により雇用を確保できるかは見通せない。
 県内では原発事故に伴い、企業が県外に移転する動きが出ている。原発事故と放射性物質への不安感が色濃く残る中、福島復興再生特別措置法案(仮称)による企業への税制優遇などが確実に実施されなければ、産業集積は滞る懸念も生じる。
 さらに、企業に円高などを背景とした生産拠点の海外移転、効率的な生産のための拠点集約の傾向があり、各自治体は企業の争奪戦を繰り広げている。
 県商工労働部は「復興工業団地を整備し、中長期的な視点で着実に雇用対策を進めたい。立地のメリットを強調する」としている。

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