放射線 放射性物質 Q&A 雪の季節、生活やスポーツに影響は
■雪による被ばく心配なし積もれば地面遮蔽効果も
【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん
雪の季節になりました。雪が降ったり、積もったりすることで、放射性物質が生活に影響を及ぼすことはないのでしょうか。スキーなどのウインタースポーツのシーズンを迎えますが、健康への影響の有無を教えてください。
現在、空気中に存在する放射性物質はほぼゼロです。事故以来、毎日、県内の空間放射線量が発表されていますが、これは地表や建物などに付着した放射性物質(ほとんどは放射性セシウム)から出される放射線(ガンマ線)を測定しています。このため、現時点で空から降ってくる雨や雪にも放射性物質は含まれていません。雪が体に付いたり、雪かきをしても被ばくの心配はありません。
雪が積もれば放射性物質が付着した地面を雪(水)で、遮蔽(しゃへい)することにもなります。少なくとも積雪で空間中の放射線量が上がることは考えにくいでしょう。
ウインタースポーツをする際、放射線量を実際に測定することも大切ですが、現在の状況ではスキーなどを楽しむことによる放射線被ばくを過度に心配することは無用です。
一方で、暖かくなって雪が溶け出した際、水と一緒に、土に付着していた放射性セシウムが川に流れ込むなどして移動し、一時的に川の水などで放射性セシウムの濃度が少し変化する可能性もあります。引き続きモニタリングの結果に注意を払っていく必要があります。
また、落ち葉もみられますが、ほとんどが原発事故の発生後に木に付いた葉であると考えられ、その場合は放射性セシウムは付着していません。
発生当時から木に付いていた葉には付着している可能性もありますが、落ち葉掃除などで触れた後に手足を洗い流せば大丈夫です。
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