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放射線 放射性物質 Q&A 子どもの甲状腺数値の異常

 県外のNPOなどが本県の子ども130人を対象に実施した調査で、10人の甲状腺機能の数値に異常がみられた─との報道がありました。この結果を、どのように受け止めればよいのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん 

■通常検査で同様の結果も「基本台帳」で検査継続を

 報道によると、今年7月から8月にかけて福島県から避難し、長野県茅野市に短期滞在していたゼロ歳~16歳の子ども130人が血液検査を受けました。その結果、2人は甲状腺組織から漏れ出た「サイログロブリン」というタンパク質の濃度がやや高く、7人は甲状腺ホルモンの分泌量を調節する「甲状腺刺激ホルモン」が基準値をやや上回り、1人は「甲状腺ホルモン」が基準値をやや下回ったとのことでした。
 サイログロブリンは、甲状腺に腫瘍がある場合に確認されることがあるのですが、それ以外の病気でも確認され、がんに特有な指標ではありません。
 甲状腺刺激ホルモンは甲状腺機能が低下するときに逆に上昇することが多いのですが、一般成人でも基準値を超える人が2割程度確認され、そのうち実際に治療の対象となるのはかなり高い数値を示す例に限られます。甲状腺ホルモンが低い場合も実際に治療が必要なのは、かなり低いケースです。
 通常の健康診断で甲状腺検査をしても、放射線被ばくの有無に関係なく、今回の結果と同様になると考えられます。
 一般に、血液検査だけで甲状腺の疾患を最終的に診断するには限界があり、超音波検査などを組み合わせます。現在、県内では県民健康管理調査の一環で18歳以下を対象に甲状腺超音波検査を行っています。長きにわたる甲状腺管理の基本台帳をつくる意味でも、検査を受けることをお勧めします。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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