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楢葉町 収束作業拠点移転求める 「帰還や復興の足かせに」

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域の見直しを前に楢葉町は21日までに政府に対し、同町のJヴィレッジの事故収束の作業拠点を福島第二原発など町北部に移転するよう求めた。Jヴィレッジは町の南側の玄関口に位置しており、町は「住民の帰還や町の復興の足かせになる」と訴える。政府の原子力災害現地対策本部は「要望は理解できるが、代替施設はなかなか見つけ出せないと考えている」と早期の移転には否定的だ。
 Jヴィレッジは福島第一原発から半径20キロ地点の6号国道沿いにある。町の大部分が警戒区域に指定されている楢葉町と、旧緊急時避難準備区域の広野町にまたがる。政府は原発事故発生直後から事故収束の拠点として作業員の駐車場や収束作業で発生する廃棄物の保管スペース、車両の除染スペースなどとして利用している。
 政府の避難区域の見直しで空間放射線量が比較的低い楢葉町は、早期の帰還実現を目指す「避難指示解除準備区域」(年間放射線量20ミリシーベルト未満)となる見込み。町は今年、帰還に向けた町内の除染や東日本大震災で壊れたインフラの整備を本格化させ、住民帰還につなげる方針だ。
 ただ、住民帰還に向けては収束作業の作業車が町を南北に往復することに不安を覚える町民も少なくない。
 6号国道を挟んだJヴィレッジ西側には楢葉南工業団地があり、緊急時避難準備区域の解除後、3社が事業を再開した。他に数社が再開を検討しているが、町は「近くに除染拠点があることを懸念する企業もある」と説明する。
 一方、広野町はJヴィレッジからの作業拠点の移設を今のところ求めていない。同町はJヴィレッジの南側にある二ツ沼総合公園も作業拠点として提供している。
 住民からは移転を求める声も出ているが、町幹部は「事故の収束を最優先に考えればやむを得ない。ただ、避難区域が縮小されれば(福島第一原発に)近い場所に作業拠点を置くのが効率的だ」としている。

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