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東電賠償金を活用 県、24年度開始へ調整 18歳以下の医療費無料化

 政府は22日までに、東京電力福島第一原発事故を受けて福島県が求めている18歳以下の全ての医療費無料化を見送る方針を決めた。原発事故との因果関係のない医療費の無料化は公平性の上から問題があると、判断した。これを受け、県は東京電力福島第一原発事故の賠償金250億円を財源に、18歳以下の県民の医療費を無料化する方向で調整に入った。平成24年度からの開始を目指す。ただ、財源は限られており、永続的な制度として定着するかどうかは不透明だ。

■政府は見送り方針

 今月8日に来県した野田佳彦首相は18歳以下の医療費無料化について政府内で検討することを約束していた。しかし、「風邪や骨折まで原発事故と結び付け、国が医療費を支払うことは難しい」と最終的に判断した。

 政府は水面下で県に伝え、来月上旬に開かれる予定の「原子力災害からの福島復興再生協議会」で佐藤雄平知事に正式に伝える見通しだ。

 県と政府は現在、18歳以下の医療費無料化の制度設計を協議している。政府の試算では、県内で18歳以下の医療費を無料化する場合、年間90億円の財源が必要になる。ただ、市町村が独自に子どもの医療費を無料化する施策を実施しているため、実際に必要となる予算は年間40億円程度とみている。東電からの賠償金250億円を活用すれば、6年間は事業を実施できる計算だ。

 県内では、子どもの医療費無料化について、大玉村が18歳以下としているほか、40市町村以上が中学3年生までを対象としている。一方、小学6年生までが対象の自治体などもあり、市町村間で対応にばらつきが生じているのが現状だ。既に自治体が実施している医療費無料化分を除外すれば市町村間で不公平感が生じ、反発が起きることは必至で、公平性をどう保つかが課題となる。

 さらに、現段階の構想では、7年目以降の事業費が不足するため、県は新たな財源の確保を政府に要求していく。

 県議会の最大会派である自民党などが18歳以下の医療費無料化を強く要望していることを踏まえ、県は24年度からの実施を目指す。

 福島第一原発事故を受け、県内では放射線の健康への影響を懸念し、子どもと保護者が県外に移転するケースが相次いでいる。県は子育てしやすい環境を整えることで他県への人口流出を食い止め、避難者の県内への帰還を促すため政府に無料化を要望してきた。

 東京電力は19日、「原発事故後の健康への影響確認に関わる費用は賠償の対象」とする原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に基づき県に賠償金250億円を支払った。県は県民健康管理基金に組み入れる方針。

カテゴリー:福島第一原発事故

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