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今を生きる 避難村民に歌詞伝える 望郷の「川内小唄」

仮設住宅集会所で川内村の住民らとともに川内小唄を歌う横山さん(右)

■郡山の借り上げ住宅 横山文伍さん(富岡)
 「いーとこ磐城の川内よ、寄ってけ寄ってけヨイサッサ-」。郡山市南一丁目の仮設住宅集会所。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のため、川内村から移り住んだ人々が「川内小唄」を口ずさむ。指導者は、富岡町から避難し同市大槻町の借り上げ住宅で暮らす横山文伍さん(77)。古里への帰還の願いを込め「川内小唄」の正しい歌詞を伝え続けている。
 川内小唄は、昭和初期に村内で流行したが、時代の流れとともに次第に歌われなくなった。「都ばかりが花咲くものか、川内村にも花が咲く」「雪も降ります氷も張るが、人の心は温かい」など川内の自然や人情を表現している。今でも時折、高齢者が口ずさむが、正しい歌詞を覚えている人はほとんどいないという。
 横山さんは、富岡町の桜の名所・夜ノ森公園周辺で中華料理店を経営していた。約30年前に飲食組合の寄り合いで川内小唄を聞き、歌詞をきちんと知りたいと、作詞した秋元馨さんと妻トメさんを訪ねた。7番まである正確な歌詞を教わりCDに収録していた。
 横山さんは、避難のため郡山市の磐梯熱海温泉やビッグパレットふくしまなど5回の転居を余儀なくされた。避難生活のつらさ、古里の恋しさ...。川内村の住民と思いは同じだ。「頑張って古里に帰ってほしい。そして、川内小唄を元気に歌い続けて」。そんな願いを、歌に込めている。

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