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県民健康調査の回収低迷 若年層の啓発強化へ

東京電力福島第一原発事故を受けた県の県民健康管理調査で、基本調査の問診票回収率は20日現在、全県で20・8%と低迷が続いている。25日、県が福島市で開いた県民健康管理調査検討委員会で明らかになった。回収率は昨年11月からの約1カ月間で2ポイント増えたが、12月から今回までは0・8ポイント増にとどまり、原発事故からの時間の経過とともに伸びが鈍化している。20代をはじめ若年層からの回収率が特に低い傾向がみられ、県は啓発を強化する。
 問診票の回収状況は、対象者205万7047人のうち、163万115人が提出していない。
 地域別では、事故が起きた福島第一原発が立地する相双地区が最も高い35・3%。会津、南会津両地区は15%を下回った。問診票の回収率は昨年11月30日現在18・0%、12月21日現在20・0%で、ここ2カ月間で2・8ポイントの伸びにとどまっている。
 一方、先行調査した浪江、飯舘両町村と川俣町山木屋地区の回収率は50・2%と半数をわずかに上回った。年代別では「21~30歳」が36・5%で最も低く、「11~20歳」と「31~40歳」がいずれも45・9%、「0~10歳」が46・6%だった。「61~70歳」が63・1%で最も高かった。
 県は先行調査と同様、全県民調査でも若年層の回収率が低い傾向にあるとみており、「このままでは、将来の本人と子どもの健康管理に不安が生じる」として啓発を強化する。若者らの勤務する企業などの協力を得て、原発事故発生以降の勤務票やタイムカードを示し、行動記録を記入するよう促してもらう。問診票記入の説明会、未回答者への依頼文書送付なども継続する。
 問診票は県民の外部被ばくの状況を推定する基礎データとなる。回収率が低ければ、被ばく量と、がん発生との因果関係を分析することは困難になり、今後30年以上にわたり県民の健康を管理するための調査の意義自体が大きく揺らぐ懸念がある。
 県保健福祉部は「時間が経過すればするほど、原発事故当時の記憶は薄れてしまう。できるだけ早急に問診票を提出してほしい」としている。

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