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今野健太君(あさか開成高)県人初合格 原発事故の体験演じる 「みんなから慕われる役者に」

「みんなに慕われる役者になりたい」と練習に打ち込む今野君

■新国立劇場の演劇研修生試験
 郡山市のあさか開成高演劇部の今野健太君(3年)は26日、新国立劇場演劇研修所の第8期研修生試験に合格した。東京電力福島第一原発事故をテーマとした演劇部オリジナル劇の一場面を演じ、本県初の合格者となった。震災の困難に立ち向かい、人としても成長した今野君は「自分を持ち、みんなに慕われる役者になりたい」と決意している。

 今野君は教師を目標にあさか開成高に入学した。演劇部に入り、演じる魅力を知った。転機が訪れたのは東日本大震災と原発事故だった。
 後に警戒区域になった浪江町に祖父母を迎えに行き、自身も約2週間、埼玉県に避難した。白い防護服で歩かなければならない浪江町から遠く離れた埼玉には普通の時間が流れていた。
 その後、郡山市に戻り、演劇部のオリジナル劇「この青空は、ほんとの空ってことでいいですか?」に出会った。浪江町と埼玉で感じた思いを劇中で表現した。演じていくうちに「もっと多くの人に気持ちを伝えたい」と感じ、プロの役者になるための準備が始まった。
 新国立劇場演劇研修所の試験には、約130人が受験した。自由に表現する課題では迷わずオリジナル劇の一場面を選んだ。「原発が爆発した。避難者が来た。ちっともリアリティーねぇ...」。最後に残った26人の中から合格したのは12人。今後3年間で幅広い表現方法を身に付ける。
 あさか開成高演劇部顧問の佐藤茂紀教諭は「不器用でも真っすぐな芝居が見る人に伝わる。大きく羽ばたいてほしい」とエールを送っている。

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