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医療費無料化見送りを正式通知 知事「極めて残念」

 平野達男復興担当相は28日、県庁で佐藤雄平知事と会談し、県が求めていた18歳以下の医療費無料化を見送る方針を伝えた。佐藤知事は「非常に期待していた。極めて残念だ」と述べ、政府の対応に強い不快感を示した。原発事故と、子どものけがや疾病の因果関係を疑問視する官僚の原則論が押し切った格好で、検討を約束した野田佳彦首相は見送りを容認した。県は県民健康管理基金を活用し独自に実施する。
 平野氏は佐藤知事に対し、「医療制度の根幹に関わる問題で、新たに国費を出すことは困難」と述べた。佐藤知事は「野田首相が関係閣僚に検討を指示することを約束し、期待していただけに極めて残念な話だ」と不満をあらわにした上で、「重要な施策なので県として実施することを検討する」と述べた。
 原発事故発生以来、県内では放射線の影響を懸念する保護者と子どもが県外に避難するケースが相次いでいる。県は「日本一」子育てしやすい環境を整え、他県への人口流出を防ぐとともに避難者の県内への帰還を促す目的で政府に無料化を要望してきた。国策で進めた原発で起きた事故であり、国が費用を全額負担すべきとの判断があった。
 一方、「福島再生」を内閣の最重要課題に掲げる野田首相は昨年11月、佐藤知事と会談した際、「健康管理が最優先だ。関係閣僚に検討を指示したい」と約束。今月8日には記者団に「重要な課題であり、政府内でしっかり検討する」と述べていた。
 しかし、財務省を中心に「けがや風邪など軽い疾病と原発事故に因果関係は存在しない」「一部の国民にのみ医療費を補助することは公平の原則を欠く」などとする異論が出た。野田首相は政治決断できず、官僚の主張に押し切られた格好となった。
 佐藤知事は平野氏との会談後、記者団に「(無料化について)福島復興再生協議会などで要望してきたが、かなわぬ状況となった」と遺憾の意を示した。

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