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放射線 放射性物質 Q&A 原爆と原発事故でどんな違いが

 広島、長崎の原子爆弾(原爆)では多くの犠牲者が出ました。今回の東京電力福島第一原発事故でも大量の放射性物質が放出されました。原爆のような被害が出ないか心配です。原爆と原発事故でどんな違いがあるのでしょうか。

■増加疾患の種類が異なる外部か内部被ばくに違い
 原爆による放射線の影響は主に外部被ばくによるものです。原爆は核分裂で一瞬にして大量の放射線を放出し、これによって広島、長崎では多くの被爆者が高い線量の外部被ばくによる急性放射線障害や、数年から数十年後に起こる白血病や固形がんといった晩発性障害を発症しました。
 一方、チェルノブイリ原発事故では、大量に放出された放射性物質、特に放射性ヨウ素によって周辺住民の内部被ばくを引き起こしました。放射性ヨウ素は特に甲状腺に集まりやすいため、汚染された牛乳などを摂取した子どもたちを中心に、事故の数年後から甲状腺がんの発症が増加しました。
 しかし、チェルノブイリでは白血病や甲状腺がん以外の固形がんの増加はこれまでのところ、認められていません。今後も継続して調査していく必要がありますが、広島、長崎とチェルノブイリで増加した疾患が異なるのは、外部被ばくと内部被ばくの違いが背景にあると考えられます。
 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性ヨウ素、放射性セシウムも、住民にとって問題となるのは内部被ばくのリスクということになります。このため、チェルノブイリ原発事故の教訓を踏まえ、日本では事故直後から放射性ヨウ素や放射性セシウムに対して「暫定基準値」を設定して、この基準を上回る食品、水に対して出荷制限、摂取制限をかけ、汚染した食事を摂取することによる内部被ばくを低く抑えようとしています。

回答
 県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)
 高村昇さん

カテゴリー:放射線 放射性物質 Q&A

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