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今を生きる 伝統と挑戦の「一杯」 市民元気づけたい 白河ラーメン提供

思いのこもったラーメンを手にする村木さん(左)と薄井さん

■郡山のバー「ビア・ホップ」店主 村木一行さん
 「受け継いだ伝統の技と味を生かして店を守り、市民を元気づけたい」。郡山市駅前一丁目のバー「ビア・ホップ」の店主村木一行さん(39)は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、店で白河ラーメンの提供を始め、訪れる客の人気を集めている。
 震災後、市内では放射性物質などに不安を訴える人が増え、村木さんも「このまま店を続けていけるのか」と悩んだ。先代から店を譲り受けて10年。客との出会いにも恵まれた。常連さんの顔を見ているうちに思い直した。「店を畳むわけにはいかない」
 前に進む決意をした時に頭に浮かんだのがラーメンの提供という新たな挑戦だった。友人の父親で、30年近くラーメン店を営んでいた白河市の無職薄井正晴さん(66)に指導をお願いした。薄井さんは店を継ぐ人が見つからず、やむなく店を閉めた。村木さんの熱意に「1カ月教えて駄目なら諦める」ことを条件に引き受けた。
 薄井さんは毎朝、郡山市の村木さんの店を訪れては仕込みをし、昼にはラーメンを仕上げた。村木さんは薄井さんの一連の仕事を見て、ラーメン作りに対する姿勢や1つ1つの工程、技術を学び取った。
 ラーメンは深夜のみの特別メニュー。村木さんは「この店でしか味わえない逸品を目指したい」と自分の納得のゆく味を目指し、試行錯誤を続けている。

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