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【県の18歳以下医療費無料化】市町村、負担減に期待 保護者「一層の子育て支援を」

 県が独自に18歳以下の医療費無料化を実現する方針を打ち出したことを受け、既に助成を実施している市町村からは負担軽減への期待の声が上がる。一方、保護者は原子力政策を国策として進めてきた国に、子育て支援策への一層の財政支出を求める。

■全額負担
 「村の行政サービスが、さらに充実するきっかけになる」。大玉村の子育て支援の担当者は、県の医療費無料化策を注目している。
 村は昨年10月、医療費無料化の対象を中学3年までから18歳以下までに拡充した。年間500万円程度の支出を予定しているが、県の事業開始によって財政負担が軽減すれば予算を他の事業に振り分けることができる。
 いわき市は入院については小学6年まで、通院は小学3年まで無料化している。市内の一学年当たりの児童数は3000人近くに上るため、県の制度創設で仮に市町村負担を新たに求められた場合、市財政への影響は大きいとみられる。担当職員は「自治体を取り巻く財政事情は厳しい。県が予算を確保した上で、必要額を全額支出してほしい」と訴える。
 一方、県の医療費無料化に関わる財源確保の見通しが不透明なことに、市町村から不安の声も上がる。郡山市の担当者は「事業を突然打ち切られ、市町村に丸投げされたらやっていけない。しっかりとした制度設計を」と注文した。

■国の責任
 双葉町の男性(41)は妻、3歳と6歳の男児と東京都内に避難し、10カ月が経過した。以前と比べて近所付き合いの乏しい生活を送り、国と原発事故を起こした東京電力への怒りを日々募らせる。子どもの医療費無料化を国策として進めるのは当然という立場で、「年齢制限をなくして全県民の医療費を無料化してもいい」と語気を強めた。
 福島市の主婦(36)は、放射能の影響を恐れて5歳の男児と2歳の女児を外で遊ばせなくなった。しかし、成長期に体力がつかなくなってしまうことを心配している。
 男児が通う幼稚園では、幼児と保護者が他県に引っ越すケースが相次いでいる。主婦は「18歳以下の医療費無料化は国が責任を持つべき。さらに、屋内の遊び場整備などにも取り組んでほしい」とさらなる子育て支援策を国に求めた。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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