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今を生きる 作品は夢中の証し 二本松で展示

安達高美術部員と一緒に作品展を開いた浪江高美術部の(左から)金田さん、蕪木さん、清水さん

■浪江高美術部 清水夏美さん、金田美優姫さん、蕪木瑞希さん
 「サテライト校では何もできないと思っていたのに充実した部活動ができた」-。東京電力福島第一原発の事故のため二本松市の安達高にサテライト校を置く浪江高の美術部員3人は顔を見合わせ、うなずいた。JR二本松駅前にある市民交流センターで24日から始まった安達高美術部の作品展には3人の作品も並んだ。「安達高校まゆみ展with浪江高校」のタイトルに両校の部員たちの思いが込められた。

■安達高生と共に 「部活の楽しさ伝える」
 「美術部、やってみない?」。浪江高に赴任した渡辺俊幸教諭(26)が2年生の清水夏美さん(17)と金田美優姫さん(17)に誘い掛けたのは、長引く避難生活で生徒たちが心のよりどころを見失いがちだった夏の終わりのことだった。2人はもともと美術部員ではなかったが、渡辺教諭から絵を描く喜びを教えてもらった。10月には震災前まで美術部だった2年生の蕪木瑞希さん(17)も加わった。
 安達高の美術室の一角には放課後、3人の姿が見られるようになった。画材や道具を借り、水彩、デッサンから油彩にも挑戦した。1~2カ月かけて出来上がった作品は、夢中になれるものを見つけた証しだった。
 安達高の部員が招いてくれた鍋パーティーが3人の心もほぐしてくれた。「一緒に作品展をしましょう」。安達高美術部顧問の野地庄一教諭(51)の呼び掛けを自然に受け入れられた。
 作品展は26日まで。両校の作品約80点が並ぶ。安達高の渡辺南部長(17)=2年=は「浪江高のみんなと気持ちを一つに準備してきた。大勢の人に見てほしい」と話す。 浪江高は4月から本宮市の本宮高敷地内の仮設校舎に移る。入学者の減少も心配されるが、美術の面白みを知った3人は「部活の楽しさを同級生や後輩に伝えられるよう頑張ろう」と励まし合った。

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