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今を生きる 次からは明るい曲 苦しんだ1年、活動再開

復興への思いを乗せ、歌を披露する大場さん

■浪江のフォークバンド「くじらのなみだ」メンバー 大場永次郎さん(51)
 「♪閉ざされた季節をさまよいながら-」。復興への思いを歌に乗せる。大震災から1年が過ぎ、浪江町のフォークソングバンド「くじらのなみだ」のメンバー大場永次郎さん(51)はステージでソロ演奏に臨んだ。本格的に音楽活動を再スタートさせ、歌でみんなを励ましていこうと思う。
 郡山市の借り上げ住宅に避難している。他のメンバー3人も県内外に離れた。震災直後の半年間は楽器を手にする気力さえなかった。「何もできなかった1年だった」と悔しがる。
 同じ被災者の中にはボランティアなどで前向きに生活している人がいた。所属する県フォークソング協会から誘われ18日、郡山市の郡山女子大で開かれた震災復興祈念チャリティーコンサートに出演した。ソロで演奏するのは震災後初めて。自分を変えるきっかけになると思った。
 26組目に登場。「他のメンバーは避難して...」と静かに語り、演奏に入った。ウクレレを握り、オリジナル曲「1人で朝を待っている」などを披露した。苦しみを訴えたかった。「♪やみくもに生きてはだめだと...」。避難の境遇を歌詞に重ね、自らに語り掛けるようにマイクに向かう。気持ちをリセットできた気がした。
 演奏を終え、一呼吸置いて思った。「もう、悲しい歌はいらない。次のステージはもっと明るい楽曲にしよう」。新しい一歩を踏みだした実感が湧き上がってきた。

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