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放射線 放射性物質 Q&A 花粉の放射性物質の影響は

 花粉が多く飛散する季節になりました。避難区域内のスギの木から出る花粉には放射性セシウムが含まれていると聞いたことがあります。危険性はないのか、とても心配です。花粉症との関係はあるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■吸い込む量は非常に微量発症のメカニズムが違う

 飛散した花粉に放射性セシウムなどが付着し、健康影響を起こすのではないかと心配されるかもしれません。確かに放射性セシウムが雄花や花粉に付着している可能性があり、飛散している花粉に放射性物質がある程度は付着していると考えられます。しかし、仮に放射性物質が付着した花粉を吸引しても、その吸い込む放射性物質の量は非常に微量であり、健康に影響を及ぼすものではないと考えられます。
 花粉によって引き起こされる鼻炎や結膜炎といった症状は、I型アレルギーと呼ばれるアレルギー反応によって引き起こされます。この場合、比較的少ない花粉を吸入しても、症状が引き起こされることがあります。その一方で、放射線被ばくによる健康影響は、どのくらい被ばくしたか、つまり線量によって決まります。
 林野庁が実施した調査から推定すると、花粉シーズンの4カ月間、ずっと花粉を吸い続けたとしても、被ばくする線量は1マイクロシーベルトに達しないと推定されています。この被ばく線量では急性障害や晩発性障害などの健康影響があるとは考えられません。発症するメカニズムが違うため、花粉症の人が、花粉症でない人よりも、被ばくしやすいということもありません。
 もちろん、花粉症の予防にはマスクが有効です。しかし、花粉による被ばくを予防するためだけを目的としてマスクを着用する必要はあまりないと考えられます。

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