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【汚染重点調査地域の市町村】新計画移行後も課題 除染の進捗監理や家人承諾 人員確保が困難

 市町村は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく除染実施計画を策定することで除染の本格化を目指すが、課題は山積する。計画の進捗(しんちょく)を現場レベルで監理する人手は足りず、宅地除染では家人の承諾を得るのに苦慮するケースもある。担当者は焦りを募らせる。

■負担未知数
 現行計画から除染実施計画への移行作業を進めている福島市は今後、市街地を含む広範囲な大規模除染に乗り出すが、発注側の立場で現場作業を監理する人員の確保が課題になる。市放射線総合対策課の除染担当者は23人。広範囲に及ぶ行政区、町内会単位の進行を管理するとなれば、職員だけでは到底足りないという。
 県は5月から民間の業務監理者約1000人を養成する。第1期分として6月末までに400人、夏以降に第2期分として600人を予定する。ただ、養成には最低1カ月かかるため、第1期の受講者が現場に出るのは早くて7月。さらに、民間委託となるため、最終的には市町村が責任を持って点検せざるを得ない状況も想定される。職員は「二重チェックになれば、どこまで負担が軽減されるかは未知数」と厳しい表情を浮かべる。

■勝手にできない
 年間積算線量が1ミリシーベルトを超える約10万世帯で宅地除染を実施する郡山市。5月には毎時最大2.0マイクロシーベルト程度と比較的線量の高い市内池ノ台地区の約100世帯で面的除染の効果を確かめる予定だが、各世帯の承諾を得る難しさに苦慮している。
 「承諾が得られなければ勝手に除染はできない。しかし、対象地区の全世帯で実施しなければ面的除染の意味がない」。市原子力災害対策直轄室の担当者は不安を漏らす。
 仮置き場の確保に苦慮する自治体は後を絶たない。古殿町は地下水を多く利用する住民の心情に配慮し、除染ガイドラインが定める覆土型の仮置き場ではなく、ビニールハウス型の仮置き場を国有林の中に建設する計画を立てた。2月に住民の同意も得た。
 しかし、当初は計画に了解していた福島環境再生事務所が、ガイドラインに沿わない施設であることに難色を示し、仮置き場設置が宙に浮いてしまった。町関係者は「計画を見直すにしても、住民の理解を得られるかどうか」と頭を抱える。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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