東日本大震災

「連載・再起」アーカイブ

  • Check

忘れられないあの味を いわきで営業再開 富岡の人に感謝込め

避難生活を経て、いわきで営業を再開した鈴木さん

■ラーメン店経営 鈴木秀希さん(36)
 富岡町で10年以上営業したラーメン店「ぼっけもん」の代表、鈴木秀希さん(36)は「人の縁、絆の大切さをあらためて実感した」と語る。避難生活を経て先月5日、いわき市平字堂ノ前で営業を再開した。
 避難先の会津若松市で昨年夏ごろから再開に向けて準備を始めた。約70軒の不動産業者を回り、理想の物件を探していた。思い通りにいかない中、1通のはがきを受け取った。
 丁寧な手書きの文字で宛先は富岡町の「ぼっけもん」になっており、転送されて避難先に届いた。「またあの味を食べたい」。いわき市に避難している常連客からのメッセージだった。
 「再開に向けて頑張ります」と返信し、いわき市での再起を決めた。
 冷蔵庫や麺ゆで器などの道具はお客さんに安心して食べてもらいたいとの思いから新しく買いそろえた。内装が終わっても配線が終わらないなど改装工事はなかなか進まなかったが、付き合いのある業者を頼りに何とか終えた。
 「富岡にいたころからの知り合いが多い、いわきだから開店できた」と話し、仕事を通じてできた仲間の絆に感謝する。
 昔の常連客がたびたび訪れ、「味が変わらなくてほっとした」と声を掛けられるという。「富岡の人が集まる場所にしたい」―。鈴木さんは今、店を持って以来世話になった富岡の人たちへ恩を返す気持ちでいっぱいだ。
 営業は午前11時から午後10時半まで(日曜、祝日は10時)。毎週月曜日は定休する。電話は0246(23)1791。

カテゴリー:連載・再起

「連載・再起」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧