東日本大震災

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細野原発相4号機視察 一層の安全確保求める

福島第一原発4号機の5階部分。黄色い部分は原子炉格納容器のふた=26日午後2時2分(代表撮影)

 細野豪志原発事故担当相は26日、使用済み燃料プールが露出し、耐震性の強化など安全確保対策の必要性が指摘されている東京電力福第一原発4号機の原子炉建屋内を初めて視察した。プール底部の補強の状況を確認し、「健全性を確認できた」と述べる一方、東電に対し一層の安全確保対策を求めていく考えを明らかにした。
 視察終了後、福島第一原発内で記者団の取材に応じた細野氏は4号機の原子炉建屋に傾きがないことや、プール底部の補強状況を確認したと説明。「震度6強の地震でも4号機の健全性は維持される」と強調した。
 ただ、「(廃炉に向けて)さまざまな課題があるのも事実」とも指摘した。原子炉建屋の壁面に水素爆発が原因とみられる約3センチの膨らみが見つかったことや、使用済み燃料プールの水を冷却する設備などから水漏れが相次いだことなどに触れ、東電にこれまで以上の安全確保策を求める考えを示した。

■燃料取り出し「前倒ししたい」
 一方、来年中に予定している燃料体の取り出しについては「4号機からの取り出しが、廃炉に向けた最初の目標となる。できる限り前倒しして取り組みたい」と意欲を見せた。
 4号機の使用済み燃料プールには、1~3号機よりも多い1535体の使用済み燃料などが保管され、その重量はプール内の水などを含め1670トンにも及ぶ。だが、プールのある原子炉建屋は爆発で激しく損傷し、国内外の専門家がプール損壊の危険性を指摘してきた。
 東電はプール底部を鋼鉄製の支柱とコンクリートで補強し、耐震性を強化。「東日本大震災と同程度の震度6強の地震が発生してもプールは安全であることを確認しており、補強により耐震余裕度をさらに20%以上向上させた」との見解を発表している。建物の傾きの有無など安全性を年4回確認することにした。

■解説 耐震性の不安払拭狙う

 細野豪志原発事故担当相は、自ら福島第一原発4号機の使用済み燃料プールを視察し安全性を確認することで、プールの耐震性に対する国内外からの不安払拭(ふっしょく)を狙った。
 プール底部は鋼鉄製支柱とコンクリート壁で補強され、海側には高さ15メートルの津波を防ぐ仮設防潮堤が設置されていた。これらの対策は東日本大震災と同規模の地震や津波を想定している。しかし、大震災の余震が長期間続く可能性が指摘される中、想定を超えた災害への備えを求める意見が専門家から出ている。
 東電はプールの健全性を年4回検査することにしたが、早くも1回目の検査で建屋西側の壁面の一部が爆発で膨らんでいることが分かった。次回以降の検査でも異常が見つかる可能性がある。
 原発事故発生前、浪江支局に勤務し福島第一原発には何度となく足を運んだ。5年ぶりに間近で見上げた4号機の原子炉建屋は4階、5階部分が激しく崩れ落ち、原子炉の黄色いふたが目視できた。見慣れた景色のあまりの変貌ぶりに、がくぜんとするほかなかった。
 細野氏は視察後、「厳しい環境の中で、作業員が努力し成果を出している。誇りに思う」と語った。来年中からの燃料取り出しに向け、建屋をカバーで覆う作業も始まっていた。廃炉まで数10年といわれる中、県民が真に納得できる安全確保対策の徹底と情報公開が求められている。(本社報道部・渡部 総一郎)

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