東日本大震災アーカイブ

飯舘村、来月にも再編 計画的避難区域 村議会が同意

 全村が計画的避難区域で、行政区単位での区域見直しを検討していた飯舘村は7日、5月に策定した中間案の通り、村内を帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の3区域に再編する案を決定した。同日、村議会災害復興対策特別委員会の同意を得た。来週中に再編案を国に提出し、早ければ7月中の見直しを目指す。
 再編案では、南部の長泥行政区が帰還困難区域、村役場がある中心部など15行政区が居住制限区域、北東部と西部の4つの行政区を避難指示解除準備区域とした。
 国が村の案に基づいて見直しを決定すれば、長泥行政区の境界にはバリケードが設置されることになる。村は国とバリケードの在り方を詰める。
 村議会災害復興対策特別委員会は福島市の村飯野出張所で開かれ、委員11人のうち10人が再編案に同意した。早期に再編案を決め、復旧を急ぐべきとの意見が相次いだ。村内ではインフラ整備や復旧工事が自粛されているが、居住制限と避難指示解除準備の2区域では可能となる。
 村の住民登録数(今年4月30日現在)は6334人。帰還困難区域とされた長泥行政区には275人、居住制限区域は5263人、避難指示解除準備区域は796人。

■「不満残る決定」 蕨平行政区長
 高線量スポットが点在する蕨平行政区の住民は帰還困難区域への設定を要望していたが、居住制限区域となった。志賀三男区長(54)は「不満の残る決定。村には住民が納得する賠償や健康管理支援を要望していく」と話した。