東日本大震災

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国内最大メガソーラー 南相馬被災沿岸に 東芝と市協定

太陽光発電所の建設が予定されている南相馬市原町区真野地区の沿岸部

 東芝は南相馬市の東日本大震災の津波被災地を含む沿岸部に国内最大となる発電出力計10万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)群を整備する。今年度内に着工し、平成26年度の運転開始を目指す。20日に市と整備に向けた協定を結んだ。東京電力福島第一原発事故を受け、再生可能エネルギーを活用したまちづくりを目指す同市。一大太陽光発電施設の整備により、次世代環境都市づくりへの弾みがつく。

■年度内に着工

 震災からの復興と地域の活性化を目的とした東芝の計画では、市内沿岸部の数カ所計150ヘクタールに太陽光発電所を複数建設する。建設が想定される鹿島区右田・海老、真野の両地区、原町区の原町東地区などの用地は市が取得し、貸与する。
 年間の推定発電電力量は1億500万キロワットに上り、一般世帯約3万世帯分に相当する。震災前の23年2月末現在、市内には約2万4千世帯あり、全世帯分を賄える電力量が期待でき、東北電力、市内の企業などへの売電を予定している。
 事業費は約300億円を見込む。今後、発電施設の建設、運営のため特別目的会社を設立し、市内の企業を含め国内外から出資者を募る。東芝は最大で全体の3割程度を出資するという。市などと協議し、今秋をめどに事業概要を決定する。
 東芝は市が復興計画に掲げる太陽光などの再生可能エネルギーなどを活用した「スマートコミュニティー」構築に協力していく。桜井勝延市長は「再生可能エネルギーを重要な産業に位置付けている。まだまだ復興途中の市だが、(東芝の)計画は復興の大きな一歩になる」と期待した。
 東芝の横田岳志執行役常務は「被災地の課題を解決できるように、(太陽光発電を)今後に生かしていきたい」と決意を述べた。
 今回の計画には東芝などが環境省から受託した「再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」で実施する太陽光発電の出力2万キロワット分を含んでいるという。

■復興ソーラーに1億円を出資 東芝

 東芝は今回の計画の他、市内に太陽光発電所を建設する福島復興ソーラー(本社・東京)に復興支援の一環として1億円を出資している。福島復興ソーラーは市が国被災地域農業復興総合支援事業として同市原町区に建設するドーム型植物工場の敷地の一部を賃借し、発電量500キロワットの太陽光発電所を建設。植物工場に電力を送るとともに、子どもの体験学習の場を提供する。

■県内稼働は1カ所のみ

 現在稼働している県内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)は矢吹町のレンゴー福島矢吹工場(出力1535キロワット)のみ。
 東北電力は南相馬市の原町火力発電所内に開設する原町太陽光発電所(出力千キロワット)について平成25年10月の着工、27年1月からの営業運転を予定している。
 大手不動産の森トラスト(本社・東京)は今月7日に泉崎村のゴルフ場にメガソーラーを建設すると発表した。第1期と第2期に分けて平成25年度から事業展開し、出力2千キロワットから1万キロワットに発電量を拡大する方針。

■整備促進へ協定書締結 桜井市長と横田常務

 発電所の整備促進に向けた協定締結式は南相馬市民文化会館で行われ、横田常務と桜井市長が協定書を交わした。

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