東日本大震災

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入札不調 震災前の7倍 県土木工事 避難区域業者 参加要件緩和へ

 県発注の土木工事の入札不調が東日本大震災後、震災前の7倍に増加したことが22日、分かった。復興需要の大幅な拡大に、建設不況で人手を減らし続けてきた建設業者が対応できず、工事の遅れを招いている。県は人員確保のため避難区域などの業者を対象に、平成25、26年度発注工事の入札参加資格審査で、震災以前の決算内容で要件を満たせる特例措置を設ける。ただ、どれだけ業者を確保できるかは不透明だ。
 県によると、震災後の平成23年度は東日本大震災はじめ新潟・福島豪雨、台風15号など災害が相次ぎ、復旧・復興のための県発注土木工事の入札件数は1547件に増大、震災前の22年度の1077件の1.43倍となった。
 一方、業者が入札に応じない入札不調件数は、23年度が入札全体の14%に当たる214件。22年度の2%、18件から不調発生率は7倍に達した。
 今年度に入ってからも4月の入札不調発生率は12%と高止まりのままだ。県は工事期間を調整するなど入札要件を見直して再入札し、業者を何とか選定しているが、入札不調が着工遅れを招くこともたびたびで、復興の足かせになっている。
 県内建設業は震災前まで長年、続いてきた公共工事の縮減により、業者数、就業者数ともに減少傾向が続き、突然の需要拡大に対応できていないとみられる。県建設業協会によると、今年6月現在の会員企業は237社で、10年前の平成14年の372社より135社も減っている。
 協会は、震災後、県内の建設作業員が、労務単価が本県より高い宮城県などに移ったことも、入札不調の要因の一つとみている。
 県は「海岸線の堤防や防潮林の復旧など今年度以降、大型工事が本格化する」と発注数の増加を見込んでいる。一方、震災復旧による公共工事の需要拡大は一時的とみている企業が多い。会津地方の建設業者は「3~5年で仕事が減る。新たな設備投資や人員確保はリスクが大きい」と話す。
 県は平成25、26年度の県工事の入札参加資格審査で、震災発生時、警戒区域、計画的避難区域、旧緊急時避難準備区域に所在していた企業を対象に、通常7月1日の審査基準日を、特例として震災当日の昨年3月11日も認める。震災前の決算内容をベースにし、売上高や財務の健全性、収益性などが企業の格付けに反映される。対象企業は建設、測量を中心に約180社に上る。
 避難区域の見直しで今後、災害復旧工事が増大すると見込まれ、地元企業も公共工事に参加が見込める。
 県は2年に一度審査を行い、2年分の県発注工事の入札参加業者の名簿を作成している。

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