東日本大震災

「連載・今を生きる」アーカイブ

  • Check

今を生きる 第二の古里へ恩返し 自然、歴史楽しむイベント企画 福島の現状伝え復興バックアップ

会津の自然や歴史を知ってもらおうと企画を練る堀口さん(右)

■喜多方山都地区グリーン・ツーリズム推進協事務局 東京からIターン5年目 堀口一彦さん(44)
 「福島の現状を伝え、復興をバックアップしたい」。東京都出身の堀口一彦さん(44)は4月から、喜多方市の山都地区グリーン・ツーリズム推進協議会事務局で働いている。Iターンで同市に移って5年目。東京電力福島第一原発事故から立ち直ろうとする「第二の古里」の魅力を発信している。
 堀口さんは平成16年3月、13年間勤務した首都圏の企業を退社した。淡水魚の養殖などを行う仕事に誇りはあったが、田舎生活への憧れが上回った。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてベネズエラで約2年を過ごし、20年から両親と一緒に喜多方市関柴町の一軒家に移り住んだ。15年に購入した築140年の古民家だ。
 東海大海洋学部の釣魚(ちょうぎょ)部在籍中、飯豊山を訪れた。「カエルの大合唱が聞こえた。地元の人にもよくしてもらった」。美しい景色と義理深い人情が記憶に擦り込まれた。
 原発事故後は本県を離れる選択肢もあった。しかし、県民として復興に携わろうと腹を決めた。浜通りでがれき処理のボランティアに奔走した。避難先でペットを飼えない人が多いことを知ると、インターネット上の掲示板で募集し、犬、猫、ウサギ計8匹を自宅に引き取った。
 山都地区グリーン・ツーリズム推進協議会では、会津の自然、歴史を楽しむイベントを企画・運営している。昨年度は風評被害で同協議会の事業も参加者が激減した。「ニュースでは分からないことが多い。安全性は来てもらえば分かる」。会津地方に多くの人を集め、にぎわう様子をブログなどで伝えるのが今の生きがいだ。
 7月のイベントには避難者からの申し込みもある。「今までにない目線で、面白い企画を考えたい」。地域の活気を取り戻すことが、受け入れてくれた「第二の古里」への恩返しになると信じている。

カテゴリー:連載・今を生きる

「連載・今を生きる」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧