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「歌の力」で恩返し 地元・川内で29日再開 自宅の車庫改修、憩いの場に

川内村で29日に営業を再開する渡辺さん夫妻

■富岡でカラオケスナック経営 渡辺 隆利さん(65) 広美さん(66)
 富岡町で約30年にわたり愛されたカラオケスナック「歌の店 演歌」が29日、川内村で復活する。経営していた渡辺隆利さん(65)広美さん(66)夫妻が村内の自宅車庫を改修しステージ付きの本格的なホールを設けた。「歌は人を元気にする」。富岡町の店舗から持ち出した店の看板に明かりがともる時を心待ちにしながら開店準備を進める。
 渡辺さん夫妻は共に川内村生まれで、昭和56年ごろ富岡町に店を出し村内の自宅から通った。2人の人柄を慕ってにぎわい、常連客には東京電力の関係者も多かったという。
 福島第一原発事故後、休業を余儀なくされ、家族は避難生活を強いられた。それでも顔なじみの原発関係者が気になる。行き場のない怒りとやり切れなさは今も続く。
 村の「帰村宣言」に合わせて4月上旬、避難先の郡山市から約1年ぶりに自宅に戻った。除染の作業員が帰路に就く夕方以降、静まり返る村にかつての面影はなかった。「気兼ねなく話せる場、にぎやかな社交場、憩いの場をつくりたい」。採算を度外視し、店再開を夫婦で決めた。
 当面の営業時間は午後7時から午前零時まで。お年寄りに合わせて日中の営業も考えている。「誰でも気軽に楽しめる雰囲気を大事にしたいね」。古里への恩返しを胸に、夫婦2人3脚の第2ステージは間もなく幕が開く。

■歌手のダテさん29、30日に来店
 営業再開を記念し29、30の両日、知人の演歌歌手ダテ・ユウタさんが来店し、隆利さんが作詞作曲した「富岡漁港」などを熱唱する。「富岡漁港」は8年前にCD化し全国発売されている。復興応援歌としてダテさんがリバイバルし9月4日にリリースされる。

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