東日本大震災

「連載・今を生きる」アーカイブ

  • Check

今を生きる トランペットが紡ぐ絆 学校訪れ演奏アドバイス 9月、二本松で"共演"も

定期演奏会の前に優哉君(後列中央)にアドバイスをする長屋さん(同左)

■二本松の奏者「Noby」こと 長屋伸浩さん(47) 双葉町から加須市に避難の高3 守家優哉君(17)
 トランペット奏者「Noby」として活動する長屋伸浩さん(47)=二本松市=は、東京電力福島第一原発事故で双葉町から埼玉県加須市に避難した県立鷲宮高3年、守家優哉君(17)と交流している。吹奏楽部でトランペットを吹く優哉君に会ってアドバイスを送るなど音楽を通した絆を強めている。
 長屋さんは東日本大震災の後、被災者を元気づけようと県内の避難所や仮設住宅などを巡って演奏してきた。今月に入り、優哉君と家族の避難生活を新聞報道で知り「力になれれば」と連絡を取った。優哉君の母文子さん(53)から「息子の学校の定期演奏会を見に来てほしい」と誘われ、加須市へ出掛けた。
 演奏会の前日、優哉君や吹奏楽部の仲間に会い、ジャズの演奏のアドバイスをした。「自分が楽しくなければ聴いている人も楽しくない。きれいに演奏しようとせず、自分の気持ちや思いを込めて」。本番で「イン・ザ・ムード」のソロを務めた優哉君は「最高の出来」と顧問の先生から称賛されたという。
 故郷にいたころ、優哉君は小学生からトランペットに親しんでいた。浪江高に進学しても吹奏楽部に籍を置いた。震災で生活は一変した。仲の良い中学の同級生2人は津波の犠牲になった。「諦めたくない」。転校後、悩んだ末に再びトランペットを手にする。今は夏休みに行われる高校生活最後のコンクールに向け、練習に励んでいる。
 「優哉君たちに掛けた言葉は自分へのメッセージ」と長屋さん。長年勤めた会社を7月に辞め、音楽活動に専念する。「震災後に出会った、たくさんの笑顔が忘れられない」。9月に二本松市で開くコンサートに優哉君を招き、一緒にステージに立つことも考えている。

カテゴリー:連載・今を生きる

「連載・今を生きる」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧