東日本大震災

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除染モデル事業最終報告 年間積算20~30ミリシーベルト地域は20ミリシーベルト以下に低減

 警戒区域、計画的避難区域などの11市町村を対象とした除染モデル実証事業で、環境省と日本原子力研究開発機構は29日、最終報告を公表した。川内村貝の坂地区など実施地点で年間積算放射線量が除染前で20ミリシーベルト(毎時3・8マイクロシーベルト)以上30ミリシーベルト(同5・7マイクロシーベルト)未満だった地域は、除染により避難の目安とされる20ミリシーベルトを下回る水準まで線量を低減できることが分かった。
 事業は双葉町を除く11市町村の16地区で実施。既に田村、南相馬、川俣、富岡、大熊、浪江、葛尾、飯舘の8市町村の結果は公表済みで、広野、楢葉、川内3町村の結果を追加した。
 除染前に20ミリシーベルト程度だった川内村貝の坂地区は宅地で毎時3・9マイクロシーベルトから2・6マイクロシーベルトに下がった。一方、富岡町の夜の森公園周辺のように除染前に40ミリシーベルト超の区域は40~60%の低減効果は見られたものの、20ミリシーベルトを下回るまで下げることはできなかった。同公園の宅地周辺は除染で毎時7・9マイクロシーベルトから4・2マイクロシーベルトとなった。
 実証事業を総括し環境省は、線量が高い地域で一定範囲除染をしても、除染をしていない周囲の環境が影響するため、大きな線量低下にはつながらないと分析。森林除染や、広大な面的除染の必要性を指摘した。
 また、線量の高低にかかわらず除去物が大量に発生するため、仮置き場の容量確保を課題に挙げた。除染とコストの関係では、同程度の線量低減効果がある手法でも、コストと除去物発生量、作業効率が違うため、それらを総合的に判断する必要があるとした。
 除染作業員が1日に浴びる平均線量は田村市が2マイクロシーベルトと最も低く、最高は大熊町夫沢地区の90マイクロシーベルトだった。
 最終報告の内容は政府が直轄で行う避難区域などの本格除染に役立てる。

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