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【復興作業の人員不足】仮設宿泊に法の壁 遊休施設活用にも課題

 復旧・復興事業に当たる作業員不足が懸念される問題で、宿舎確保対策を検討している県は入居の見込みがない応急仮設住宅を活用する案を練る。しかし、「仮設住宅は救助を要する住民に供されるべき」とする「法の壁」に阻まれ、実現の見通しは立たない。

■対象外
 応急仮設住宅は現在、県内に約1万6600戸が設置され、1割強の約2400戸は入居者がいない。今後も避難者の帰還や集団移転などに伴い、空き住宅の増加が見込まれる。県は工事現場近くに移設し、作業員の宿泊施設として活用することを検討している。
 ただ、災害救助法は応急仮設住宅について、地震や津波で住宅が損壊し救助を余儀なくされた場合などを入居対象とし、作業員の入居は認めていない。県は復旧を迅速に進めるため、特例措置を講じるよう政府に求める方針だが、厚生労働省災害救助・救援対策室は「仮設住宅に救助が不要な人が入居すれば、被災者支援の意義が薄れる」と否定的だ。
 平野達男復興相は19日、作業員の入居について「今の段階では考えられない」との見解を示した。

■リフォーム
 作業員の宿舎確保に向け部局をまたぐプロジェクトチームを設置した県は、県と市町村の公営住宅や職員公舎、民間企業の保養所、寮など遊休施設の情報を一元化し、9月から市町村や事業者に提供する。
 ただ、空き部屋の数を把握できた場合でも、耐震化や老朽化の具合を判定し、リフォームなどの対策を迫られ入居が大幅に遅れる可能性もある。管理運営を担う団体をどう決めるかなど課題も多い。
 チームを統括する企画調整課の職員は「宿舎確保のノウハウはない。まさに手探り」と苦しげに語った。

【背景】
 東日本大震災で被害を受けた道路や上下水道など社会基盤の復旧工事と、東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質の除染作業の本格化を前に、県内各地で作業員宿舎が不足する事態が懸念されている。保健・医療業務の従事者らを受け入れる必要もあり、田村、南相馬、川俣、広野、川内、新地の6市町村は県に宿舎確保を要望した。県は5月、県東日本大震災復旧・復興本部に「宿舎等確保対策プロジェクトチーム」を設置。佐藤雄平知事は6月13日、平野達男復興相に宿舎確保を要望した。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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