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放射線 放射性物質 Q&A  放射性ストロンチウム どんな物質か

 食品の安全基準値は放射性セシウムの数値ですが、東京電力福島第一原発事故で県内に放出された放射性物質には放射性ストロンチウムがあったと聞きます。どのような物質ですか。基準を設けなくていいのですか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

■体内に入ると骨に集まる環境中の濃度かなり低い
 放射性ストロンチウムは、ガンマ線とベータ線を出す放射性ヨウ素や放射性セシウムと異なり、ベータ線だけを出すという特徴があるため、簡単には測定できません。
 ストロンチウムはカルシウムに似た性質があり、放射性ストロンチウムが体内に取り込まれると、骨に集まりやすいことが知られています。その性質を利用して、放射性ストロンチウムは、がん患者の多発性の骨転移による痛みを和らげる治療薬として用いられることがあります。
 昨年9月に文部科学省が公表した環境中の放射性ストロンチウムの測定結果によれば、土壌に含まれる放射性ストロンチウムの濃度は、放射性セシウムに比べて平均で100分の1以下と、かなり低い数値です。
 測定結果から算出した放射性ストロンチウムによる50年間の積算実効線量は、最も高い地点でも0.12ミリシーベルト程度です。つまり最も高い地点に50年間、とどまったとしても、放射性ストロンチウムで被ばくする外部被ばくと内部被ばくを合わせた線量は極めて限られた数値であると言えます。
 このため、放射性セシウムに関する対策をきちんとしておけば、放射性ストロンチウムに関する対策も十分取れていると考えられます。引き続き食品に関する安全情報に目を配り、放射性セシウムの基準値を超えた食品を長期間、摂取し続けないようにすることなどで放射性ストロンチウムによる被ばくも十分低減できるのです。

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