東日本大震災アーカイブ

今を生きる 故郷思う心絵筆に込め 大作「気・水・地」描く 16日から東京で個展

冬室さんが被災地に思いを寄せて描いた「気・水・地」

■本宮出身、埼玉在住 冬室昌宏さん
 本宮市出身の画家冬室昌宏さん(58)=埼玉県=は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた古里に心を寄せ、「気・水・地」と題したアクリル画の大作を仕上げた。言葉にできない複雑な心境も含め、震災後の気持ちを全てぶつけた。
 縦約230センチ、横約180センチのキャンバスを3つつないで1つの作品にした。「気」は人間社会を取り巻く大気、「水」は生命に必要不可欠な水がのみ込んだ人々の暮らしと命、「地」は崩れ去った日常とえぐり取られた大地をイメージしている。
 古里で暮らす親戚や知人、近所の人たちの生活を案じた。喪失感や怒り、悲しみも抱いた。再生に向かうまでどれほどの時間が必要なのか、思いを巡らせた。制作を決意し、描き始めたのは昨年6月。
 「たびたび筆を置いて考えながらの作業だった。思いが強過ぎてクールダウンしながら描き進めた」と振り返る。完成まで3カ月余りかかった。
 美術教諭として勤務する東京都板橋区の城北学園城北中・高に展示している。「被災地から遠く離れた場所に暮らす子どもが、それぞれに何かを感じてくれたらうれしい」と話している。
 冬室さんは多摩美大大学院修了。本県出身・ゆかりの芸術家でつくる県在京美術家協会に入っている。

 冬室さんの個展「季節に出会って」は16日から21日まで東京・京橋のK'sギャラリーで開かれる。「季節」「季節感」をテーマにした作品約20点を並べる。19日までが正午から午後7時、20日が正午から午後8時、最終日が午前11時半から午後5時半まで。会場の電話番号は03(5159)0809。

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