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放射線 放射性物質 Q&A プルトニウムはどれくらい飛散したのか

 東京電力福島第一原発事故では放射性セシウムなどの他にプルトニウムが県内に放出されたと聞きました。プルトニウムとはどんな性質を持った物質なのか、どの程度飛散したのかについて教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

■重い性質 放出量限られる 被ばく対策で低減が可能
 かつて世界各地で地上核実験が行われていたころ、核爆発によってプルトニウムは北半球全体に拡散しました。このため、現在の日本でも土壌中にはごく微量のプルトニウムが検出されます。
 プルトニウムはアルファ線だけを出すため、放射性ストロンチウムと同様の理由で、簡単には測定することができません。このアルファ線は透過力が非常に弱く、紙一枚で遮蔽(しゃへい)することができますが、半面、透過力が弱いことから、体内に入ったプルトニウムをホールボディーカウンターでの測定が不可能です。
 昨年9月に文部科学省が発表した測定結果によれば、県内で原発事故を原因としたプルトニウムの飛散が確認された地域はとても限られています。その量も、原発事故発生前に全国で観測されていたプルトニウムの測定値の範囲に入るレベルであったことが分かっています。
 プルトニウムはヨウ素やセシウムに比べて「質量数」が大きい、つまり重いという性質があります。沸騰して気体になる温度「沸点」が、ヨウ素やセシウムに比べて高いのも特徴です。このため、原発事故の際、ヨウ素やセシウムに比べても放出された量が極めて限られていたと考えられます。
 以上の結果から、放射性ストロンチウムと同様に、放射性セシウムへの被ばく対策をきちんとしておけば、プルトニウムによる被ばくの低減化は十分に可能であると考えられます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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