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今を生きる 広野に笑顔呼び戻す 駅周辺で「市」初開催

「ひろの復興市」で復興Tシャツを販売する鈴木さん(中央)ら

■復興プロジェクト実行委員長 鈴木すみさん 47
 緊急時避難準備区域が昨年9月に解除された広野町のJR広野駅周辺で21日、広野復興プロジェクト実行委員会による初の「ひろの復興市」が開かれた。数基の大型テントを並べた手作り感あふれるイベントにお年寄りや家族連れらが大勢詰め掛け、駅周辺には久しぶりに笑い声が響いた。沿岸部の自宅が半壊しいわき市の仮設住宅に住む実行委員長の鈴木すみさん(47)は「小さなイベントから多くの情報を発信したい」。今後もさまざまな催しを繰り広げる予定だ。
 実行委員会は鈴木さんら町民有志4人と塚野加奈子さん(27)ら今春、採用された町職員5人の計9人が今月上旬に設立した。「ひろの復興市」は第一弾の企画。会場ではサッカー日本代表専属シェフの西芳照さんがアドバイスしたカレーライス、カレーすいとんをはじめ、町に職員を派遣している宮崎市の名物・完熟マンゴー、災害時相互応援協定を結ぶ埼玉県三郷市の朝取り野菜が販売され、人気を集めた。
 いわき市中央台高久の仮設住宅と町内の自宅を往復している根本三郎さん(83)ツメノさん(79)夫妻は「孫の土産にマンゴーが買えてよかった。今日は知り合いに会えたし、もう少し店などが再開したら自宅に戻りたい」と話した。
 多くの町民が再会を喜び、笑顔を見せる姿を見て、特製復興Tシャツを販売した鈴木さんと塚野さんはほっと胸をなで下ろした。手探り状態から始まったイベントに不安は大きかっただけに「これからも食やスポーツ、芸術など形にとらわれず町民が顔を合わせる場を設定したい」と口をそろえる。
 町内で飲食店を経営する鈴木さんは昨年8月に店を再開させ仮設住宅から通っている。来月には町内の仮設住宅に中学2年の双子の三男(14)長女(14)と一緒に戻るつもりだ。6月に知人らとボランティア活動を行う「がんばっ会」をつくった。広野小や広野中などが二学期から町内で再開するのに合わせて通学路の清掃に取り組む計画。「お金を掛けた活動はできない。できることからでいいと思う。町民が戻ってこられるよう大好きな古里の復興に貢献したい」

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