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今を生きる 踊りの笑顔広げたい 古里で教室再開願う 1年ぶり 教え子と再会

1年ぶりの再会を喜ぶ小松さん(手前)と子どもたち

■富岡でダンススクール主宰 小松恵里子さん 35
 富岡町でダンススクールを開いていた小松恵里子さん(35)の教え子たちが22日、いわき市のいわきゆったり館で1年ぶりに再会した。
 昨年の夏休み以来だ。嵐の「ハピネス」やEXILEの「銀河鉄道999」の曲に合わせて全員で体を動かした。県内外に避難が続きダンスを続けている子どもは数人しかいない。小松さんは「笑顔は周りの人を明るくします。元気に踊りましょう」とちょっぴり背丈が伸びた子どもたちに声を掛けた。
 震災前、小松さんのスタジオでは3歳から小学5年まで35人がダンスを学んでいた。毎年町内で4月に開かれる夜の森桜まつりに初めて出演するため、みんなで練習に励んでいた。「銀河鉄道999」は発表曲の1つ。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起き、披露する機会がないままそれぞれ避難を余儀なくされた。
 いわきゆったり館にはいわき市、福島市、郡山市をはじめ群馬県や埼玉県から19人が駆け付けた。
 顔を合わせるのは昨年7月に郡山市に32人が集まって以来だ。最初は緊張気味だった子どもたちも小松さんのレッスンを受け、少しずつ表情が和らいだ。
 約3時間のレッスン後、保護者の前で成果を発表した。生き生きと踊る子どもたちを見詰める保護者に笑顔が広がる。富岡二小から福島市の森合小に転校した5年生の若井優花さん(11)は今もダンスを続けている。「みんなと久しぶりに会えていろんな話をした。楽しかった」とうれしそうな表情を見せた。
 小松さんは震災後、県外を転々とし今年4月、いわき市の借り上げアパートに移った。今は双葉郡の仮設住宅集会所で軽運動などをアドバイスしている。古里でレッスンができる見通しはたたないが教え子の笑顔に触れ、スタジオを再開させたいと願う気持ちが強くなった。「年に1回ぐらいみんなと会って元気をもらいたい」。ダンスを通じて笑顔の輪を広げるつもりだ。

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