東日本大震災

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県災対本部の機能不十分 政府事故調最終報告 縦割り弊害指摘

 政府の東京電力福島第一原発事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)は23日、最終報告をまとめ、野田佳彦首相に提出した。原発事故後の県の対応については、避難区域に取り残された双葉病院(大熊町)の入院患者の避難・救助が大幅に遅れた事態を検証し、縦割り組織の弊害から県災害対策本部内外の連携が不十分だったと指摘。県が三春町に指示した安定ヨウ素剤の配布中止や、独自に行ったスクリーニングレベルの引き上げも適切ではなかったと結論付けた。
 最終報告に盛り込まれた県に対する指摘の要旨は次の通り。
■最終報告で指摘された 県の事故対応の問題点要旨■
・県災害対策本部は内部で情報を共有せず、自衛隊や県警との連携が不十分だったため、双葉病院の入院患者の避難・救出が大幅に遅れた。県災害対策本部の班編成は縦割りで、全体を統括・調整できる仕組みもなかった。
・県は安定ヨウ素剤を配布した三春町に対し、国からの指示がないことを理由に配布中止と回収を指示した。しかし、国の指示がないからといって、三春町の判断を不適切とは言えない。
・県は住民の除染基準となるスクリーニングレベルを10万cpmに引き上げたが、当時は線量に応じたきめ細かな除染方法の策定、確認こそが必要だった。
・初期被ばく医療機関に指定された6病院のうち、4病院が避難区域内だった。原発周辺に集中させず、避難区域に含まれる可能性の低い地域を選ぶ必要がある。

■双葉病院の避難
双葉病院については原発事故後、入院患者ら35人が最終的に病院内に取り残されたとの調査結果を示し、県災害対策本部の職員同士が患者の情報を共有せず、自衛隊や県警など他の機関との連携も不十分だったと指摘した。
 その結果、寝たきりの患者搬送に適さない車両を手配するなど不適切な事態が生じ、対応が大幅に遅れたと批判。「県災害対策本部の班編制を縦割りではなく横断的・機能的にし、全体を統括・調整する仕組みを設けるべき」と庁内体制の見直しを求めた。

■安定ヨウ素剤配布
 甲状腺被ばくを低減する安定ヨウ素剤を独自に配布した三春町に対し、県が国の指示がないことを理由に配布の中止と回収を指示したことについては、「国の指示がないからといって町の判断を不適切とは言えない」とした。その上で、各自治体が独自に判断できる仕組みや、事前に住民に配布する是非を検討する必要があると提言した。

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