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今を生きる 福島に恩返ししたい 被災者に寄り添い再出発 富岡支援センター 広報担当で活躍

臨時災害FMの番組で富岡町民に情報を届ける吉田さん

■アコースティックデュオ元「中吉」 吉田豊さん 29
 福島市を拠点に活動し、東日本大震災の前年に解散したアコースティックデュオ「中吉(ちゅんきち)」の吉田豊さん(29)=宮城県白石市出身=は震災後も本県にとどまり、郡山市の富田町若宮前仮設住宅内にある富岡町生活復興支援センター「おだがいさまセンター」の職員として復興に携わっている。「福島に恩返ししよう」-。被災者に寄り添う形で再出発の歩みを進めている。
 福島大教育学部在学中の平成14年、同期の中村克也さん(青森県六ケ所村出身)とデュオを結成した。ライブをはじめイベントに出演した。ラジオのパーソナリティーも担当し8年間で人気、知名度ともに上昇し活動は順調だった。
 しかし、将来への迷いがあった。「中吉としてではなく、それぞれの生き方があるのではないか」「納得する道を進みたい」。2人の出した答えは別々の道を歩むことだった。
 吉田さんは震災後の昨秋、仙台市の民間企業で就職内定を受けた。だが、その2日後、被災者支援を担当し音楽活動時代につながりのあった県職員、天野和彦さん(現おだがいさまセンター長)から誘いの電話があった。
 本県での8年間の活動でいろいろな夢を見ることができた。「感謝の気持ちを還元したい。一歩踏み出すべきでは」
 1度は断ったものの、内定を蹴って残った。
 昨年11月からセンターで働き始めた。広報担当として、センター発行の情報紙「みでやっぺ!」の編集などに取り組んでいる。月曜、火曜日は富岡町の臨時災害FMの番組「おだがいさわやかモーニング」のパーソナリティーを務め、町民と向き合う。
 「避難生活を送る町民の心をつなぐ情報が発信できれば」と切に願う。メッセージを届ける「中吉の声」は今も温かく、健在だ。

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