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今を生きる 復興への思い旋律に サテライト校で結成 「双葉」「双葉翔陽」「富岡」合同で出演

困難を乗り越え、県大会で息の合った音を奏でた3校の吹奏楽部員ら

■県吹奏楽コンクール高校小編成の部
 喜多方市で29日に行われた県吹奏楽コンクール高校小編成の部では、双葉・双葉翔陽・富岡の合同吹奏楽部が息の合った音色を響かせた。東日本大震災後、部員不足や厳しい練習環境を乗り越えた20人。復興への思いを旋律に乗せて観客を元気づけた。
 震災後はいずれの高校も避難などで部員が激減した。双葉と双葉翔陽は20人以上いた部員がそれぞれ6人と2人に。富岡は部長の高橋まゆみさん(3年)1人となり、休部した。
 今年4月、いわき明星大に3校のサテライト校が集約された縁で合同吹奏楽部が誕生した。しかし楽器の一部が警戒区域内の学校から持ち出せず、練習場所は限られた。パート練習が満足にできないなど、決して恵まれた環境ではなかった。寄付を受けて6月に楽器はそろったが、テスト期間が各校で違うため全員が集まる機会も少なかった。
 部員同士で打ち解けられずにもいた。「練習の仕方が各校で異なり、ぶつかった」と双葉翔陽の部長大川原成美さん(3年)は振り返る。7月に入り合同練習や会話を重ねることで徐々に雰囲気が変わっていく。初心者の生徒には他校の先輩が丁寧に教えるなど着実に団結力を深めていった。
 29日は双葉10人、双葉翔陽8人、富岡2人が、自分たちで選んだ曲「たなばた」を堂々と披露した。細かいミスはあった。それでも双葉の部長作山麻花さん(3年)は「大会に出られるとは思わなかった。たくさんの人に聞いてもらえてうれしい」と充実の表情を見せた。
 震災から1年4カ月、3校の生徒は音楽の力を信じ続けた。指揮を執った富岡の志賀友加里教諭は「子どもたちが頑張って作ってきた音楽で少しでも楽しくなれたらうれしい」と、教え子に温かいまなざしを送っている。

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