東日本大震災

「放射線・放射性物質Q&A」アーカイブ

  • Check

放射線 放射性物質 Q&A セシウムで地下水は汚染されないか

 東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性セシウムは、将来的に地表から土中に深く浸透して地下に入り込まないのでしょうか。放射性セシウムによって地下水まで汚染されることにならないかと心配です。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

■セシウムは土壌と結合多くは地表にとどまる
 放射性セシウムは土壌と強く結合し、土の表面にとどまりやすい傾向があります。このため、校庭の表面を削り取ると、放射性セシウムも取り除くことができ、空間線量が低下するのです。
 それでは放射性セシウムは長い時間経過すると、土中の深い部分に移動するのでしょうか? 長崎大の研究チームは今年1月、事故から26年が経過したチェルノブイリ原発から12~15キロほどの距離にあり、まだ除染をしていない地点で、土壌を採取し、含まれている放射性セシウムの濃度を測定しました。
 この結果、深さ5~10センチの部分の土壌に含まれている放射性セシウム濃度は、深さ0~5センチの表層部分との土壌と比べて、7分の1から十分の一程度しかないことが分かりました。つまり、事故から26年も経過しても、かなりの放射性セシウムが土壌の表層部分にとどまっていたのです。
 放射性セシウムの自然中での動態についてはまだまだ分からない部分も多く、今後解明していく必要があります。しかし、少なくとも、土の表面にあるセシウムの大部分が短時間に土の深い部分に移動するというわけではなく、多くは表層に近い部分に保持されると考えられます。
 しかし、激しい雨などの気象条件によって表層の土砂が流れるような状況では、放射性セシウムが一緒に移動する可能性があります。今後もきめの細かいモニタリングが必要でしょう。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

「放射線・放射性物質Q&A」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧