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今を生きる 得意の手品笑顔生む 寺子屋事業に初参加 被災者和ます幻灯会も

寺子屋事業で手品を披露し喜ばれる川本さん(右)

■浪江から二本松に避難 川本年邦さん 83
 手の中から飛び出す花に子どもたちの目がくぎ付けになった。手品のタネを見て一転、笑いの渦に包まれる。22日、二本松市の大平住民センターで行われた県老人クラブ連合会による地域の寺子屋事業。東京電力福島第一原発事故で浪江町から避難している川本年邦さん(83)の芸達者ぶりは、集まった親子らを和ませた。
 川本さんは東京出身で大工やとび職をした後、平成10年、浪江町南津島に転居した。全く知らない土地だったが、戦後間もなく入手した幻灯機を使い、地元の学校や公民館で物語などのフィルムを上映した。引き合いは多く、地域に溶け込んだ。
 昨年3月の震災と原発事故の拡大で町外へ避難することになった時も幻灯会を催す予定で、機材を自家用車に積んだ。二本松市東和地区や磐梯町に一時避難し、二本松市岩代地区の杉内多目的運動広場仮設住宅に落ち着いた。避難先でも幻灯会を依頼されると、快く応じている。
 「じっとしているのは性に合わない。避難者同士でも交流を楽しみたいし、世話になっている地元の皆さんに喜んでもらえるなら」
 老人クラブが子育て支援に関わる地域の寺子屋事業には初めて参加した。二本松市の子育ての会・大平みつばちクラブ(安斎真奈美代表)の親子15人と地元の高齢者、さらに浪江町から市内の別の仮設住宅に避難している山田セツさん(80)ら3人と共に工作や触れ合い遊びを楽しんだ。
 幻灯は披露しなかったが、もう一つの"特技"、手品のタネ明かしが受けた。「輝く子どもたちの目を見ると、たまらなくうれしくなる。元気に育つ、お役に立てれば」と胸をたたいた。

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