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放射線 放射性物質 Q&A 被ばくの時間で遺伝子への影響に違いは

 放射線被ばくには、一度に浴びる「急性」の被ばくと、東京電力福島第一原発事故の影響を受けている県内のように、徐々に浴びる「慢性」の被ばくがあります。それぞれ人への健康影響に違いはあるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

■「急性」傷が誤って修復される 「慢性」は修復機能正常に働く
 急性被ばくと慢性被ばくによって同じ線量を浴びた場合、人体への影響は異なるのでしょうか? 地球上で生活すると年間平均で約2.4ミリシーベルト程度の被ばくをします。これは宇宙から降り注ぐ放射線や地中にある放射性物質から出される放射線などによるものです。
 一方、世界には環境から受ける放射線量が多い地域があり、例えばインドのケララ地方は海底から打ち上げられる天然の放射性物質の影響で、比較的高い放射線量を被ばくします。
 以前、住民の方にバッジ式積算線量計を着けていただいて測定したところ、被ばく線量は平均で年間7ミリシーベルト、最も高い人は年間14ミリシーベルトでした。単純に考えると年間7ミリシーベルト被ばくするということは15年間で浴びる線量は100ミリシーベルトを超えてしまいますが、このケララ地方での調査では、現在までのところ特にがんなどの発生率が高かったり、寿命が短かったりといったことは証明されていません。この事実は急性被ばくと慢性被ばくの人体への影響は異なる可能性があることを示しています。
 急性被ばくによって一度に大量の放射線を被ばくすると、傷がついた遺伝子を間違って修復してしまうことがありますが、少しずつ放射線を浴びて細胞の中の遺伝子に傷がついたとしても、その都度、人体に備わっている修復機能が働き、傷を修復するためではないかと考えられています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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