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4割強除染に遅れ 政府「基本方針」決定から1年 37市町村に本社調査

 東京電力福島第一原発事故を受け、政府が除染の考え方を示した「緊急実施基本方針」の決定から26日で1年を迎えた。福島民報社は、方針に基づく国の財政負担により除染を進める37市町村に作業の進捗(しんちょく)状況や要望事項を聞いた。4割強に当たる17市町村が「スケジュール通り進んでいない」と回答。除染に着手できずにいる市町村もあった。
 調査は方針に基づく除染計画か、放射性物質汚染対処特措法に基づく除染実施計画を策定した37市町村の除染担当部局を対象に実施。計画などに掲げたスケジュールと比較した進捗状況は【グラフ】の通りで、17市町村が「進んでいない」としたほか、13市町村が「予定通り進んでいる」、7市町村が進捗を評価していないなどの「その他」と回答した。
 「進んでいない」と回答した市町村の多くは仮置き場の確保が難航していることを理由に挙げた。南相馬市は除染計画に市内の除染を2年で完了させる方針を盛り込んだが、仮置き場の確保が難航し3年に期間を延長した。除染対策課は「仮置き場確保に住民の同意が得られないケースがある」と説明した。
 各市町村は住宅除染を重視している。今年度内に6900戸を実施する計画の西郷村は現段階で発注に至っていない。村環境保全課は「東京電力の所有地を仮置き場として活用するため同社に求めているが、了承を得られていない」とする。
 今年度末までに2万5000戸を終わらせる予定の福島市は、発注が7474戸にとどまり、危機管理室は「計画の達成は難しい」と見通しを示す。
 復旧事業などに人手を取られ、作業員が確保できないことが除染の遅れの要因とする回答もあった。天栄村総務課は「地元業者が復旧作業に回り、大手業者は小さな自治体の仕事を受注しない傾向にある」と訴える。玉川村住民税務課は「村内で除染作業を請け負える技術力のある業者が少ない」と指摘した。
 一方、広野、川内などの市町村は「計画通り進んでいる」とした。要因として仮置き場を確保できたことなどを挙げている。
 県内では41市町村が汚染状況重点調査地域に指定されている。このうち、矢祭、塙、柳津、昭和の4町村は放射線量低下などのため、現在のところ国の財政支出を受けた除染を行わない方針だ。

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