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知事、ドイツで廃炉作業を視察

ハム・ウェントロップ原発でディートリッヒ社長から説明を受ける佐藤知事(左)

 【ドイツ・デュッセルドルフで鈴木信弘記者】欧州を訪問中の佐藤雄平知事は29日午前(日本時間同日午後)、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州ハム市を訪れ、廃炉作業が行われているハム・ウェントロップ原子力発電所を視察した。廃炉の工程や課題、ドイツ国内の原発の停止状況などを聞いた。
 佐藤知事は、廃炉作業を管理する電力会社「HKG」のギュンター・ディートリッヒ社長からの説明を受け、建物内を視察した。
 同原発は燃料体を取り出した後、原子炉に通じる配管を全て封鎖。原子炉建屋からの排気は常時、モニタリングしているという。
 同原発は一般的な軽水炉型とは異なる高温ガス炉。ディートリッヒ社長は「技術的には安全に解体することは可能。ただ、(がれきなど放射性廃棄物の)最終処分場が決まっていないことが問題だ」と述べた。
 ハム・ウェントロップ原子力発電所は1983年に運転を開始した。冷却剤にヘリウムガスを使用する新型原発として注目されたが、86年に燃料の目詰まりによる放射能漏れ事故が発生し、89年に閉鎖した。
 「HKG」社は91年に廃炉作業を開始。乾燥冷却塔を撤去し、93年から3年で原子炉から燃料を取り出した。現在は放射線量が減少するまで厳重な監視下に置いている。
 最終的な解体は2030~40年にかけて実施する予定。最終処分場は決まっておらず、がれきなど放射性廃棄物は長期間にわたり中間貯蔵する必要がある。
 ドイツ国内では1980年代以前に造られた古い原発の閉鎖が相次いで決定され、既に解体された原発もある。
 佐藤知事は29日午後(日本時間同日夜)、ハム市のトーマス・フンステーガー・ペーターマン市長と懇談した。
 ペーターマン市長は「東日本大震災から1年以上経過したが、われわれは震災を忘れていない。復興に協力したい」と述べた。同市は石炭産業の衰退、ハム・ウェントロップ原子力発電所の閉鎖後、再生可能エネルギーを積極的に推進。環境に優しい社会を築き、新たな産業と雇用を創出している。
 佐藤知事は同市の取り組みを参考にする考えを示し、「ドイツをはじめ世界中の支援に感謝している。必ず県土を再生する」と誓った。
 佐藤知事は懇談に先立ち、市内にあるエコセンターNRWを視察した。

カテゴリー:福島第一原発事故

厳重な監視下にあるハム・ウェントロップ原発の原子炉建屋

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