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「極力真水を」「材料が腐る」 東電テレビ会議映像公開

■3月13日 午前6時45分
【原子炉冷却】
 3号機原子炉を冷却するための海水注入の判断は、東電幹部にとって緊張の連続だったことがうかがえた。

 13日午前6時45分、3号機への海水注入の準備を進めていた吉田所長に電話が入った。会話の音声は公開されていないが、数分後、吉田所長がマイク越しにやり取りを明らかにする。

 「(首相)官邸から、海水の使用を判断するのは早すぎるんじゃないかというコメントがあった。海水を使うことは、もう、廃炉にすることにつながるだろうと...。極力、ろ過水や真水を使うことを考えてくれ、ということでした」
 電話の相手の意向を受け、3号機は海水注入の準備を中断、真水の使用へと方針を切り替える。吉田所長はできる限り真水を使うよう現場に指示した。

 しかし、真水の確保は困難を極め、午前9時すぎには、オフサイトセンターの武藤栄副社長が吉田所長に「もう海水注入も考えなくちゃならないんじゃないの」と促す。吉田所長は「極力、真水を集めます。模擬プールとか、人海戦術で小さいタンクの往復とか、使える水は使う」と返した。

 午前9時25分、真水注水を開始したが真水は枯渇し始める。東電は福島民報社の取材に対し、水を運んでくるはずだった自衛隊の部隊が到着しなかったためと説明している。午前10時すぎ、本店の小森明生常務が「官邸との話です。3号機は、海水を入れることも当然視野に入れて動くべし、という認識です」と吉田所長に伝えた。真水を使いながら、海水注入の準備もするよう求めた。

 午後零時20分に真水が枯渇したため注入は終了。午後1時12分に海水注入へと踏み切った。

 一連の対応について政府事故調査委員会は報告書で「注水が途切れた上、線量の高い中で作業員に注水経路変更など余計な作業をさせた」と指摘した。

 東電は海水注入をためらっていた。原子炉の劣化により、廃炉の可能性が出るためだ。13日、2号機原子炉への注入を準備していた吉田所長に対し、本店側は「材料が腐っちゃったりしてもったいない」と伝えている。

カテゴリー:3.11大震災・検証

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