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「保安院が水素爆発と言った歩調を合わせた方がいい」 東電テレビ会議映像公開

■3月14日 午前11時1分
【3号機爆発】
 14日午前11時1分、3号機は水素爆発する。直後の大混乱の中、東電は国の見解に追従する形で爆発に関する情報を発信していた形跡がある。

 爆発発生から30分ほどして、報道文の内容に関する協議が幹部間で始まった。本店でテレビ会議に参加した高橋明男フェローが「(原子力安全)保安院がさっき、テレビで水素爆発と言っていたけど。歩調を合わせた方がいいと思うよ」と声を上げた。本店の別な社員が「すでに官邸も水素爆発という言葉を使っているから、それに合わせた方がいいんじゃないですか」と同調した。清水正孝社長は「はい。これでいいから。スピード勝負」と了承した。

 「自社で爆発の事象に関する検証を行わず、国の発表に追随した格好ではないか」との福島民報社の取材に対し、東電は「1号機と同様の水素爆発が、他のプラントで起きることを想定していた。スピードが求められる局面であり、『水素爆発の可能性』という表現で発表した」と説明している。

 一方、3号機爆発直後の映像には第一原発周辺の風向きを必死に確認するやり取りが残されている。爆発によって放出された放射性物質の拡散が懸念されていたためだ。

 オフサイトセンターの関係者が「今、テレビで1F(第一原発)3号機の爆発の映像を放映しています。南側に蒸気が流れている場面を放送しています」と連絡。本店社員は「北東から南西に風が流れているということで、その方向に煙が行っているということを官邸並びに福島県、関係市町村に連絡した方がいいと思う」。これを受け、清水社長から「関係箇所全てに連絡して」と声が飛んだ。

 爆発から2時間が経過したころ、本店広報班がアナウンスする。「福島事務所から依頼が来ています。福島県庁、具体的には県知事からの文言を入れてもらいたいという話がありました。ちょっと、読み上げますと、これから天候が崩れる予想だが、今、北西の風が吹いており、観測された放射線から健康に被害がでる心配はないという文言を入れたい、入れてほしい」
 しかし、本店の別の社員は「西の方に行ったやつが、もういっぺん東に揺られて戻ってくることもあり得る。ちょっとリスキーですよね」と反論し、首相官邸の判断を仰ぐことでまとまる。

 結局、「県側からの申し入れ」とされた文言は報道文に盛り込まれなかった。この記録について、県は「申し入れた事実は確認されていない」として、東電に調査を求めており、真相は分かっていない。

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