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今を生きる 安心して子どもの外遊びを 10月完成目指し整備進む 岳温泉近くに芝生グラウンド

芝生の苗を植える佐々木さん(左端)ら

■NPO法人TEAM二本松理事長 佐々木道範さん39
 「福島の子どもたちを外で思い切り遊ばせたい」。二本松市のNPO法人TEAM二本松理事長の佐々木道範さん(39)は、市内でも放射線量が低い岳温泉近くの栄町に芝生のグラウンドを整備している。10月に完成する。
 TEAM二本松は、放射線から子どもを守ることを目的に設立した。東京電力福島第一原発事故後すぐに活動を始め、昨年11月にNPO法人の認可が下りた。
 佐々木さんが理事長を務める市内の同朋幼稚園は、園庭の芝生を張り替えるなど積極的に放射線対策を実施してきた。それでも例年と比べ外遊びの時間は少ない。幼稚園では、園児によく「これは触っていいの?」と聞かれるという。幼い子どもにまで放射線への不安を感じさせていることに胸が痛んだ。
 「ただ待っていても放射線問題は解決しない」。佐々木さんは全国各地へ講演に出向き、福島の現状を訴えて浄財を募った。寄付金だけでなくボランティアとして活動に参加してくれる人もいた。
 知人から約4ヘクタールの土地を借りることができた。このうち、平地の約1ヘクタールを芝生にする。敷地内の草刈りから始め、重機で表土除去作業も行った。除去前の線量は毎時0.5~0.6マイクロシーベルトだったが、除去後は毎時0.08~0.18マイクロシーベルトまで下がった。現在は毎時0.07マイクロシーベルト前後で推移している。
 6月末からの植栽には、幼稚園の保護者や安達高ラグビー部員らも協力した。50センチ間隔で苗を植える地道な作業は今月中旬に終了した。
 完成後は幼稚園の運動会に用いたり、ラグビーの練習などに使う計画だ。スポーツ少年団や外で子どもを遊ばせたい保護者にも貸し出す。佐々木さんは「子どもが元気に遊ぶ姿を親が眺め、みんなで笑えるような空間にしたい」と話している。

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