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甲状腺がん1人確認 福島医大「放射線の影響ない」

 11日に福島市で開かれた県民健康管理調査検討委員会で、福島医大は子どもを対象とする甲状腺検査について、二次検査の結果、1人の甲状腺がんが確認されたと報告した。検査で甲状腺がんが見つかるのは初めて。福島医大は「放射線の影響ではない」としている。
 甲状腺検査は東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった子ども約36万人が対象で、検査結果が判明したのはこれまでに約8万人。
 今回、甲状腺がんが見つかったのは平成23年度実施分の二次検査。23年度は双葉郡8町村と伊達市、南相馬市、田村市、川俣町、飯舘村の13市町村の3万8114人で一次検査を実施した。
 186人から5.1ミリ以上のしこりなどが確認され、二次検査対象(B判定)となった。検査を終えた38人のうち、超音波検査や細胞を吸引して詳細に調べた結果、1人が甲状腺がんと確認された。それ以外は良性だった。
 福島医大は対象者についてプライバシー保護の観点から性別や年齢、住所、被ばく線量などを公表していない。
 福島医大は24年度の一次検査結果も公表した。福島市の4万2060人を検査し、「直ちに二次検査を要する」(C判定)と判定された県民はいなかった。二次検査対象は239人で全体の0.6%。23、24年度では425人に上る。
 しこりなどが見られない「A1判定」は2万3702人で全体の56.3%、5.0ミリ以下のしこりなどがある「A2判定」は1万8119人で43.1%だった。

■「高い外部被ばくない」福島医大鈴木教授
 甲状腺検査で甲状腺がんが見つかったことについて、調査を担当する県民健康管理調査検討委員会の鈴木真一福島医大教授は「内部被ばくのあったチェルノブイリ事故でさえ甲状腺がんは発生まで最短で4年。本県では広島や長崎のような高い外部被ばくも起きていない。事故後1年半しか経過していない本県では、放射線の影響とは考えられない」と東京電力福島第一原発事故の影響を否定した。
 検討委の座長を務める山下俊一福島医大副学長も検討委として同様の見解を示した。
 鈴木教授らによると、子どもの甲状腺がんの頻度は100万人に1~2人といわれるが、通常はしこりを感じる本人の自覚症状などで数センチ大になってから見つかるケースが多いという。今回のように18歳以下全ての子どもを対象に精度の高い超音波検査を実施した例がなく、「比較はできない」としている。
 首都大学東京大学院放射線科学域長の福士政広教授は「甲状腺がんの進行は遅く、現段階で原発事故の放射性ヨウ素を原因とする症状が出ることは考えられない。今回症状が確認された人は原発事故以前から発症していたはずだ」と指摘する。

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