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放射線 放射性物質 Q&A 防護服は何のために着るのか

 東京電力福島第一原発事故に伴う警戒区域に一時帰宅する住民らが白い防護服を着ているのを見ます。空間放射線量がそれほど高い場所でなくても着ているようですが、防護服は何のために着るのでしょうか?

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■素材の「目」が大変細かく衣服などへの付着を防ぐ
 避難者が一時帰宅する際、放射線防護服を着ていますが、この防護服では放射性セシウムから出される放射線を遮蔽(しゃへい)することはできません。セシウムから出されるガンマ線は、鉛などある程度の厚さを持った金属で遮蔽できますが、布では遮蔽することができないからです。
 それでは、なぜ防護服の着用が必要になるのでしょうか? 防護服は特殊な素材でできており、大変目が細かくできているため、放射性物質が通過できないようになっています。これによって一時帰宅の際に放射性物質が服などに付着して、持ち帰ることを防いでいるのです。防護服は放射線から身を守る、というよりも放射性物質から身を守っているといえます。
 防護服の中には、鉛を取り付けて放射線被ばくを防ぐタイプもあるのですが、当然ながら非常に重くなり、また動きも取りにくくなります。このような防護服は高線量の環境での作業など、用途が限られてきます。
 また、防護服は放射性物質が通過できないよう、きめの細かい素材でできているため、通気性が非常に悪く、夏の時期など暑い環境下では熱がこもりやすいという欠点があります。作業者や一時帰宅した避難者が脱水症状や体温上昇などの健康上の問題が生じるのはそのためです。
 現在、作業をする際に保冷剤を防護服の下に仕込むなどの工夫が取り入れられていますが、今後はさらに改良していくことが必要となってきます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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