東日本大震災

「放射線・放射性物質Q&A」アーカイブ

  • Check

放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくによって、県内でこれから生まれてくる子どもに影響が出てこないかが心配です。病気になったりしないでしょうか。広島・長崎の原爆被爆者らは大丈夫だったのですか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■「被爆二世」の疾患増えず次の世代には伝わらない
 広島・長崎の原爆被爆者が被爆後に妊娠し、生まれてきた世代は「被爆二世」と呼ばれています。それぞれの被爆地で被爆二世の方々に健康影響が出ていないかということは大きな問題であり、現在に至るまで長期間にわたる調査が行われてきました。
 調査の結果、現時点で被爆二世について、特にがんやそれ以外の疾患が増加しているということは認められていません。また、内部被ばくが問題となったチェルノブイリでも原発事故から25年が経過した現時点で、事故後に生まれた世代について健康影響は認められていません。
 動物実験でも骨髄や甲状腺のような体の臓器細胞(体細胞)が被ばくしても、放射線被ばくの影響は次の世代に伝わりません。その一方で、精子や卵子といった生殖細胞が非常に高い線量を被ばくした場合、次の世代に引き継がれ、染色体障害などがみられることが分かっています。
 現時点で被爆二世に健康影響が認められていない理由はいくつか考えられます。実験動物と違って人間は生涯の出産数が極めて少ないため、被ばくなどによって遺伝子に傷がついた精子や卵子は、受精から出産までたどり着かないことが原因の1つではないかと考えられています。
 さらに、県内での被ばく線量は、外部被ばく、内部被ばくのいずれについても、広島・長崎やチェルノブイリと比べてかなり低いことからも、次世代への影響は考えにくいと思われます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

「放射線・放射性物質Q&A」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧