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「大臣交代、理解に苦しむ」 県首長、復興停滞を懸念

 細野豪志環境相兼原発事故担当相が民主党政調会長に内定した24日、県内の首長らからは急な交代に復興の停滞を懸念する声が上がった。
 「この時期に大臣を代えること自体理解に苦しむ」。山田基星広野町長は復興が途上の被災地を見ていないと憤りをあらわにした。馬場有浪江町長も「代表選断念は担当相としての責任を果たすのが1つの理由と聞いていた。今回の人事は唐突過ぎる」と首をかしげた。古川道郎川俣町長も「復興が道半ばの交代は困る」と語気を強め、桜井勝延南相馬市長は「交代で原発事故被災自治体に混乱を招かないようにすべきだ」と語った。
 渡辺利綱大熊町長は現地に足しげく通った姿を振り返り「残念だ。引き続き務めてほしかった」と言葉をつないだ。
 細野氏への注文も相次いだ。遠藤雄幸川内村長は「復興の流れを途絶えさせないでほしい」と強調。松本幸英楢葉町長は「党運営と合わせて除染や賠償問題など後任大臣に引き継ぐべき」と求めた。
 県市長会長の瀬戸孝則福島市長は「政策与党の立場から復興施策の実現を望む」とし、県町村会長の佐藤正博西郷村長は「今まで以上に本県復興を応援してほしい」と語った。
 後任に対し、遠藤勝也富岡町長は「新大臣にも誠意ある対応を願う」とし、松本允秀葛尾村長は「事故収束にブレーキがかからない人選をすべき」と継続性を訴えた。菅野典雄飯舘村長は「村民に寄り添う人に次期担当相になってほしい」と語り、井戸川克隆双葉町長も「地元と丁寧に話し合う姿勢を」と注文した。

■避難者や市町村職員困惑
 被災地から避難している県民や市町村担当職員らも突然の交代に首をかしげた。
 富岡町から郡山市の仮設住宅に避難する無職宇佐見冨士夫さん(59)は「原発事故の被害は何1つ解決しない。代表選に出なかったのに、党の要職に就くのは矛盾だ」と指摘。双葉町からいわき市の仮設住宅に避難している会社員浪江克彦さん(49)は「復興への動きが鈍らないよう、引き継ぎをしてほしい」と次の大臣に対応を望んだ。
 南相馬市の復興企画部の担当者は「なぜ今なのか」と驚きながらも「後任は被災地を知る大臣が就くことで、復興を加速してほしい」と話した。

■「優秀な後任を」「無責任」県内各党
 細野環境相兼原発事故担当相が民主党政調会長に内定したのを受け、県内政党の幹部は、本県復興に尽力する人材を後任に抜てきするよう求めた。
 民主党県連の宗方保幹事長は「足しげく福島に通い、原発事故に対応したことに感謝したい。今後は政調会長として、より一層幅広い視点で福島の復興に力を貸してほしい。環境相、原発事故担当相は本県にとって重要なポストであり、優秀な人材を配置してほしい」と要望した。
 自民党県連の平出孝朗幹事長は「細野氏は福島のことをよく考えていた。ただ、民主党自体が信頼を失っており、内閣を改造しても意味はない。早く衆院を解散し、国民の信を問うべきだ」と突き放した。
 国民の生活が第1県連の太田和美代表は「原発事故対策で民主党代表選の立候補を辞退した大臣を政調会長に任命するなど、民主党は原発事故を軽視している。後任次第で復興が遅れるのではないか」と疑問視した。
 公明党県本部の甚野源次郎代表は「細野氏は原発事故対応に真摯(しんし)に向き合ってきたが、その継続性が問われる。民主党政権による政局優先の人事は無責任であり、早期に解散して国民の信を問うべきだ」と指摘した。
 共産党県委員会の久保田仁委員長は「民主党政権は除染や賠償などで本気で福島の復旧・復興のことを考えていない。今後、誰が環境相や原発事故担当相を務めても、今までと何も変わらない」と切り捨てた。
 社民党県連の小川右善幹事長は「細野氏は原発事故対応で比較的、積極的に取り組んでいる印象だった。立場が変わっても、福島の原発事故対応をはじめ、被災地の復旧・復興を最優先に進めてほしい」と訴えた。

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